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ヘッジファンド・年金が利用する「ダークプール」、取引所の新たなライバルへ

アジアの主要な証券取引所は、出来高の減少に加え、証券会社などが運用する社内用株式受発注プラットフォームやクロッシングネットワークと呼ばれる私設電子取引所が強力なライバルとして浮上してきた、とウォールストリート・ジャーナルが22日付で報じている。
この私設電子取引所は米国が発祥地で、「ダークプール」(Dark Pool)あるいは「ライトプール」(Light Pool)とも呼ばれる。ここでは、既成の証券取引所と違って気配値が公開されない場を通じて、取引当事者同士が直接交渉することで価格を決定して取引を成立させている。

私設電子取引所を利用する主なバイサイドは、年金基金やヘッジファンドなどだが、匿名で参加できるため手口を明かさずに受発注できる上、手数料が証券取引所に比べて安く、また、大量の売り注文による株価への悪影響を抑制することも可能なため、近年、人気を集めている。

私設電子取引所の開設は米国が最も多く、欧州でも増加傾向にあるが、次はアジアと見られているが、証券取引所にとってはこうした強力なライバルの出現で、受発注の機会の減少で手数料収入が減少するため、大きな痛手となると見られている。

米調査会社TABBグループによると、米国で取引されている株式の12%がダークプールを通じて行われているという。この比率は、2003年はわずか1%弱だった。一方、アジアでのダークプール比率は現時点ではまだ0.5-1.5%にとどまっている状況だ。

アジアでは、現時点では、香港とシンガポールの証券取引所は、金融当局による私設電子取引所に対する規制で保護されているため、手数料減収の心配はないが、オーストラリアでは事情は異なる。

オーストラリア政府は、米国の私設電子取引所の運営大手リクイドネット・ホールディングス(Liquidnet Holdings Inc.)とインスティネット(Instinet LLC.)のChi-X、AXE-ECN(AXE ECN Pty. Ltd.)の3社にライセンスを与える方向で検討していることから、オーストラリア証券取引所を運営するASXの株価は年初来で40%以上も下落している。

さらに、オーストラリアでは、一部の私設電子取引所は証券取引所への昇格を目指しており、オーストラリア証券取引所の牙城を崩す構えともいわれる。

こうしたダークプールの台頭で、既成の証券取引所も手数料の引き下げを余儀なくされており、米国と欧州ではすでに30%も手数料が引き下げられるなどその影響は無視できなくなっている。

Dow Jones
22 Aug 2008 02:01 BST
WSJ(8/22) Competition Tightens For Asian Exchange Operators



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