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今回と従来の金融混乱の大きな違い―流動性の提供者、銀行からヘッジファンド・年金へ

リーマン破綻など金融不安が一気に深刻化する中、金融混乱の原因は、流動性を提供する主役が、金融当局や銀行からヘッジファンドや年金基金に移ったことにあると、ダウ・ジョーンズはコラム記事で指摘している。【16日 ダウ・ジョーンズ】
同コラムによると、一連の大手金融機関の破綻・経営危機は、流動性を供給するメカニズムがこの10年で変わったことやリスクが分散したことに対して、現行の金融規制が対応していないことによって生じているという。そのため、当局の監督が及ばないところで問題が生じていると指摘している。

マサチューセッツ工科大学(MIT)のアンドリュー・ロー(Andrew Lo)教授は「確かに、住宅関連市場の低迷が現在の山火事を引き起こす契機となった。しかし、山が乾燥して火事が起こりやすくなったのは、そのためではない」と語る。ロー教授は、現在の金融混乱はここ10年に及ぶ高いリターンを求めた投資活動による影響だと指摘する。

中でも住宅関連ローンは、不動産が資産として多様なうえに安定的で、リターンの大きい投資をする上で最適だったことから、巨額の資金が流入したとロー教授は指摘。不動産は他の資産と相関性が低いので、リスクが飛び火しにくい点も後押しした。

住宅関連ローンは、さらに証券化することにより保有者のリスクは軽減し、さらに投資しやくなった。しかし、証券化によってリスクが分散したため、今回のように暴落するとリスクもいっせいに飛び火するようになったとロー教授は語っている。

政治家は、今回のような金融混乱を防ぐために住宅ローンを含めて先物に対する規制を強化することを主張している。しかし、ロー教授は、規制が従来の流動性の供給者である銀行だけを主として対象としていることが問題の一因だと指摘する。

実際にはこの10年で、流動性の提供者はヘッジファンド、プライベート・エクイティ(PE)、年金基金などに急速に拡大しており、銀行はもはや主役ではなくなっているという。そして、新しい流動性の提供者は銀行のように預金によって巨額の資金を保有するのではなく、ABS(資産担保証券)、CDO(債務担保証券)、スワップなどを通じて資金を保有している。

また「ヘッジファンドなどは、予告なしに流動性を制限できるために、FRBは管理することができない。そのため、FRBは流動性をコントロールする力を失っている」とロー教授は指摘する。

ロー教授によると、規制を強化しても今回のような金融混乱の再発防止には効果的でないという。資本主義である限り、スクラップ・アンド・ビルドは不可避だからだ。情報開示を強化して投資活動の透明性を高めることこそが効果的だとロー教授は主張している。

Dow Jones
16 Sep 2008 18:50 BST
DJ IN THE MONEY: Transparency, Not Regs, Key To Finance Reform

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