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撤退を余儀なくされる中小ヘッジファンド―資金流入の枯渇で経営行き詰る

9月の株価急落で、多くの中小ヘッジファンドのパフォーマンスが急激に悪化、廃業に追い込まれるファンドも出始めた。顧客離れが進み新規の資金流入が見込めないためだ。【4日 ウォールストリート・ジャーナル】
その典型例が、米投信情報提供会社モーニングスター(Morningstar)の株式アナリストから、小規模ながらもヘッジファンドを創業したマーク・セラー(Mark Sellers III)氏だ。

セラー氏は、シカゴで運用資産額が3億ドルにも満たない株式型ファンドを運用していたが、9月の株価急落でリターンが悪化、9月18日に投資家に対し廃業を通告した。セラー氏のファンドは、7月時点の年初来リターンがプラス50%だったが、9月末にはマイナス20%となっている。

米投資顧問大手ヘネシー・グループ(Hennessee Group)によると、この1年間、ヘッジファンド業界には逆風が吹いているが、特に9月は10年ぶりの苦境に直面。規模の大小を問わず、ヘッジファンドのパフォーマンスが悪化したという。

こうした逆境の中で生き残れるのは、一部の大手ヘッジファンドだけといわれる。ニューヨークの証券会社ションフェルド・グループ(Shonfeld Group)のアンドリュー・フィシュマン(Andrew Fishman)社長は、「最も危ないのは資産運用額が10億ドル未満のファンド。簡単にギブアップしようとしないのが問題だ」という。

中小ヘッジファンドは市場の情勢に応じて、投資戦略を容易に変更できるという小回りの良さが長所だが、その半面、リターンが良い時期と悪い時期が極端で安定していないため、年金基金などの大口の機関投資家から敬遠される弱点がある。

パフォーマンスが悪化しても、機関投資家は解約せず資金を塩漬けにすることができるが、中小ファンドの場合は、富裕層の個人投資家が中心のため、特に投資経験が浅い個人投資家は解約に走る傾向がある。このため、新規資金の流入が止まり破綻するケースが多い。

米調査会社ヘッジファンド・リサーチによると、この10年間で、機関投資家がヘッジファンドに積極的に資産運用を委託した結果、ヘッジファンド業界は5倍の2兆ドルにまで急拡大した。しかし、その資金の大半は大手ファンドに集中している。

全世界のヘッジファンドの数は1万本に達するが、そのうち、資産運用規模が5億ドルを下回る中小ファンドは75%を占める。中小ファンドは規模が小さいため、リターンが悪化すると、人件費だけで収入の大半が失われるという。

大半の中小ファンドは、今年、資産運用規模の拡大を見込んでいたが、現実は過酷だった。景気後退で新規資金流入も途絶え、賭けに負けてしまったといえる。

Dow Jones
04 Oct 2008 04:05 BST
WSJ(10/4) Smaller Hedge Funds Struggle As Pipeline Dries Up

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