英国市場で銀行株が急落、英銀各行で年金基金の積み立て不足が深刻化
更新日:2009年01月27日
英銀大手ロイヤルバンク・オブ・スコットランド(RBS)の株価は19日、67%急落し、同行の時価総額は20日午前10時時点で、52億ポンドにまで落ち込んだ。またロイズ・バンキング・グループの株価も20日に45%下落し、時価総額は60億ポンド近くまで落ち込んだ。最新のデータによると、英銀各行の年金基金が抱える積立不足額は累計で500億ポンドにまで膨らんでいる。特にRBSは1行で不足額が270億ポンドと、時価総額の5倍の水準に達しており、「小さな銀行を傘下に置く巨大年金基金」と揶揄されている。米大手コンサルティング会社ワトソン・ワイアット(Watson Wyatt)のシニア・コンサルタント、スティーブン・ディッカー氏は「状況は一変した。かつては、時価総額500億ポンド規模の銀行が100億ポンド規模の企業年金を抱えていた。いまでは、50億ポンド規模の銀行が100億ポンド規模の年金を抱えている状況だ。当然ながら、年金の規模が会社の規模を上回れば、どんな業種であれ、その企業にとって頭痛の種になるものだ」と語った。2007年末時点では、各行年金基金の積立比率は、上はRBSの101%から下はHBOSの96%の範囲に収まっており、安全な水準を保っていた。しかし、2008年6月末時点では、HBOSの積み立て不足額は年末の3.24億ポンドから7.25億ポンドに急拡大している。その後、リーマン破綻に端を発した金融危機が深刻化したことを考えれば、積み立て不足額がさらに膨らんでいるのは間違いないだろうと企業年金の専門家はみている。さらに、これまでの数字に関しても、過小評価されている可能性があるという。企業会計における年金への拠出金は、AA格社債のスプレッドを基にした運用利回りで算出される。このスプレッドは、債券市場が金融危機により信用収縮を起こしたため、年の変わり目で大幅にワイド化した。そのため、年金の積み立て不足額は、本来ならばさらに膨らむはずだという。ディカー氏は、年金の会計を見直すことで、赤字がさらに見つかる可能性は高いが、各行の年金基金を管理する受託会社は、親会社である銀行から追加分を確保するのに苦労するだろうと指摘する。その理由として、ディカー氏は「金融機関の自己資本比率規制は、年金基金の支払い余力規制よりもはるかに厳しい。そのため、ほとんどの銀行は、いかなる予備の資金も年金基金に回さず、行内に留めておこうとする可能性がある」と説明している。
Dow Jones
20 Jan 2009 15:26 GMT
DJ Financial News: UK Banks' Pensions Millstones Grow Heavier
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