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複雑な投資戦略のヘッジファンド終焉か―資金はシンプルな戦略へ

過去10年の間、ヘッジファンドが用いてきた複雑な投資戦略は、市場のベンチマークを上回る運用成績をあげ、投資家も魅力的なパフォーマンスに飛びついた。しかし昨年、サブプライム・ローン問題に端を発した金融市場の混乱は、複雑な運用手法を用いたヘッジファンドに対し大きな打撃を与えた。
フォートレス・インベストメントは、昨年2月に株式公開を行い、ヘッジファンドの成功のシンボルとなったが、この1年間で株価は50%も下落。同社の不動産、債券などの保有資産価値に対し投資家が危機感を募らせたことが影響した。AQRキャピタル・マネジメントが運用する最大のヘッジファンドの運用資産額は、年初来から2月15日まで15%減少した。また、関係者によれば、「アブソールト・リターン」の運用資産額は、昨年の第4四半期から11億ドル減少し29億ドルまで縮小した。フォートレスやAQRキャピタルのファンドは、いずれも複雑な定量分析に基づきコンピューターで取引を行うクオンツ運用を行っていた。調査会社ヘッジファンド・リサーチ社によれば、先月だけでクオンツ・ヘッジファンドは全体で6%のマイナスだった。クオンツ運用のヘッジファンド以外にも破綻の波は広がっている。不正な会計監査や保有債券の焦げ付きにより、D.B.ツヴィルンとセールフィッシュは共に投資家の解約が相次ぎ、大型ファンドを閉鎖せざるを得なかった。破綻に迫られるヘッジファンドが直面している問題の大部分は、多くのヘッジファンドがリターンを増大させるため、大量の借入金による投資や、高レバレッジに頼っているということだ。しかし、今銀行はヘッジファンドへの貸し出しを削減するか、借入手数料を引き上げている。借り入れが困難になるにつれ、高レバレッジのファンドがリターンを産むのは難しくなるだろう。また、このようにファンドを痛めつけているのは、保有資産に対するファンドの価値判断を危惧する声が投資家の間で高まっているという事実だ。その懸念というのは、ファンドがリターンを誇張しているのではないかということや、信用市場が難しくなってきていることから、ファンドは単に保有資産の価値を正確に把握できていないのではないかというものだ。この数年間、ヘッジファンドは、比較的緩やかな規制のもと富裕層や機関投資家から資産を蓄え拡大するためのビーグルとして定着してきた。現在ヘッジファンドが全世界で運用する資産は、1兆9,000億ドルと、2000年の4,900億ドルから増加した。しかし最近、投資家は不透明なヘッジファンド業界から資金を引き上げ、投資対象が明確で、運用手法も簡単な金、銀、原油などのコモディティに資産を傾けている。かつて市場で最も退屈とされた農作物でさえ人気を集めている。ヘッジファンドにおいても、130/30と呼ばれる株式ロング/ショート戦略を用いたファンドがその運用手法の明確さから大流行している。



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