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米SEC、PIPEを巡るヘッジファンドのインサイダー取引訴訟で苦戦

ヘッジファンドと米金融当局が、私募で売り出される株式「PIPE」の扱いを巡って争っている。米証券取引委員会(SEC)は、ヘッジファンドがPIPE売り出しの発表前に株式を空売りし、市場価格よりも安値で買い付けたPIPEを使ってポジションを手仕舞う行為は違法であるとして、昨年10月以来3件の訴訟を起こしたが、いずれも証拠不十分で棄却された。
PIPE(Private Investment in Public Equity)とは、上場企業が公開市場を通さず、相対取引による私募増資で資金を調達する手段で、企業にとっては市場よりも迅速に調達する点がメリットとなる。一方、投資家にとっては、市場価格よりも安く株式が買い付けできるため、確実に利益を得るチャンスがある。米国の調査会社によれば、昨年度のPIPEの平均的な割引率は12%だった。

米SECが想定している取引シナリオは、ヘッジファンドが販売代理業者などを通じてPIPEの売り出し情報を知り、公式発表前に当該企業の株式を空売りして、その後、空売りのポジションを決済するために、PIPEを割安で買い付けるという流れ。ここで焦点となるのは、PIPEを使った空売り取引が違法かどうかと、ヘッジファンドが非公開情報を使って、PIPEの売り出しが公表される前に空売りをしたかどうかである。

PIPEを使った空売り取引の違法性について、裁判所は3件の訴訟で、いずれも米SECの訴えを退けている。インサイダー容疑に関しては、現在も訴訟が継続しているが、起訴されたファンド・マネージャーたちは、いずれも非公開情報の取得はなかった、あるいはPIPEが公表される前に空売りはしていなかったと主張している。ある裁判では、判事が米SECに対し、インサイダーを立証するならさらなる情報提供が必要と命じている。

米SECでは、ヘッジファンドへの監視強化を進めている。昨年9月には、米国の主要なヘッジファンド運用会社に対し、上場企業との関わりを持つ役員、従業員を報告するように書簡で求めている。またPIPEに関しては、取引記録や実際に受け渡しをした日付なども報告するよう要請している。

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