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信用危機で見えてきた「ヘッジファンド神話」のほころび―学術論文が指摘

ヘッジファンドは、強気相場では多大な収益を上げ、弱気相場では損失を首尾よく回避できるとして急成長を遂げてきた。しかし、米ブルームバーグのコラムニスト、マッソー・リン氏は9日付の記事で、そうしたヘッジファンドの「売り口上」が作り話に過ぎないことを示す学術論文があると指摘している。
同氏は、2つの学術研究論文を引用して、ヘッジファンド業界は、恒常的に不誠実で、少なくとも、真実を出し惜しみしているという。

1つ目の論文は、インディアナ大学のベロニカ・クレッペリー・プール講師とバンダービルト大学のニコラス・ボーレン助教授が過去数年に遡って、ヘッジファンドが投資家に報告したリターンを調査したもの。

それによると、ヘッジファンドはしばしば、月平均1%のリターンを報告し、同率の損失はめったに報告していなかったという。しかし、論文では「我々が使用したデータベースによると、リターンの約10%は誇張されていた」と結論付けた。その上で、「リターンの虚偽報告は、慣習化している」と断じている。

2つ目の論文は、ペンシルベニア大学のディーン・フォスター教授とブルックリン研究所のペイトン・ヤング上席研究員がまとめたもので、ヘッジファンドは設立が容易で、実際の運用ノウハウがなくても利益は上げられると断言する。

同氏によると、あちこちで開発された投資戦略を模倣し、大きな投資ポジションを取り、バブルがはじけるまで莫大な手数料をかき集めるのがファンドの運用実態で、運用に失敗しても資金を返還する必要はない点も、ファンド・マネージャーにとって有利だと指摘している。

リン氏は、ヘッジファンドは、投資家への報告手続きを厳格にする必要があるという。もっと重要なことは、市場の平均を上回るハイリターンを確保できないならば、資金を返還すべきで、ヘッジファンドはそうならないよう戦略を見直す必要があると主張している。



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