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ヘッジファンドの現金保有が拡大―リスク回避よりも収益機会の確保が狙い

ウォールストリート・ジャーナルは17日付の紙面で、ヘッジファンドは、クレジット市場危機で相場が乱高下し方向性を掴むことが困難なことや、流動性確保のため、高レバレッジ運用を避け、運用資産全体に占める現金、あるいは現金同等物の比率を高めている、と報じている。
アナリストやマネージャーは、こうしたヘッジファンドの方針転換について、現金が急に必要になるリスクが高まっていることを指摘する。ヘッジファンドに資金を提供する銀行が、融資担保不足を理由に追加保証金(追証)を要求する事態や投資家の解約請求が増えるリスクがあるためだ。

ヘッジファンド自体も、新しい資金の調達が困難になっていることや、調達コストが2倍以上になっていることも理由として想定される。しかし、もっと大きな理由があると、同紙は指摘している。つまり、ファンドマネージャーは、現金比率を高めて、将来のディストレスト資産投資(経営破綻、あるいは破綻寸前の企業の社債などを安値で買い取り、企業再生後に売却して利益を上げる手法)の機会を待っているためだとしている。

一例を挙げると、ゴテックス・ファンド・マネジメントは、現金比率を1年前のゼロ%から、現在はファンド全体の10%にまでに引き上げており、貸出市場やABS(資産担保証券)市場が底打ちする兆しを待っている状況だ。

メリルリンチによると、証券会社のフリークレジット(信用取引の与信枠からすでに使った分を差し引いた金額)でみたヘッジファンドの現金保有高は、NYSE調べで、1月は900億ドル(約9兆2000億円)、2月も650億ドル(約6兆6000億円)と、1年前のマイナス440億ドル(約4兆5000億円)から急増している。

現金比率は、ヘッジファンドの投資戦略によって異なる。株式型ファンドは過去の平均的な保有比率の約2倍となっている。また、クレジット市場に投資するファンドやグローバル・マクロ系ファンドは2-3倍に増やしており、最大でファンド全体の40%を占める。

投資家も、ファンドマネージャーによる低レバレッジの慎重なアプローチに対しては、懸念を示していない。コメルツ銀行のファンド・オブ・ヘッジファンズ(FoHFs)であるコマスの旗艦ファンド「CGAL」が投資しているヘッジファンドのレバレッジは、投資家の100ドルに対し、50-100ドルで、これは昨年7月の約250ドルを大幅に下回っているという。

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