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英ヘッジファンドのペロトン、サブプライムに翻弄され数日間で破綻した経緯

高い運用成績で知られた英ヘッジファンドのペロトン・パートナーズは今年2月、サブプライム関連証券投資で失敗、わずか数日間で約170億ドルもの損失を計上して破綻した。その経緯をウォールストリート・ジャーナルが12日付で報じている。
同紙によると、破綻の瀬戸際に追い込まれたペロトンの統帥、ロン・ベラー氏(46)はあまりの過労のため、一時倒れたといわれている。ペロトンの破綻の原因は、銀行から過度に運用資金を借り入れていたことだった。投資家に1ドルのリターンを支払うため、ペロトンは実に9ドルの借り入れを行って、投資対象の住宅ローン関連証券を購入していたといわれる。

ただ、ベラー氏は、あくまでも今回のペロトンの破たんは、投資戦略の間違いではないとし、一時的に資産運用がうまくいかなくなったのを見て、銀行が自分を見限ったためだと主張している。

ペロトンの住宅ローン関連証券への投資は2006年後半から始まった。当時、旗艦ファンドの運用成績が不振だったことから、ペロトンは同ファンドの投資資金から約5億ドルを拠出、米国の住宅市場の悪化を利用してリターンを上げる「Peloton ABS Fund」を創設した。

ABSファンドは昨年7月まではサブプライムローンの焦げ付き増大によって、リターンもプラス34.45%を記録。自信を深めたペロトンは、今度は金融市場の混乱で値下がりしていた、高格付けのRMBS(貸付債権担保住宅金融公庫債券)に手を染め始める。

このころから、ゴールドマン・サックスなど一部の投資家はペロトンのRMBSへのシフトに難色を示し、資金償還に動き出していた。しかし、ABSファンドは、昨年11月時点でリターンが実に87.6%と驚異的な数字を記録していた。

今年の2月中旬、欧州最大の金融グループUBSがRMBSで多額の評価損を計上したと発表すると、ペロトンも同様に大打撃を受けた。ただ当時は、まだ、ペロトンには7億5000万ドルの現金があり、銀行からの追加担保の要請に応じることができると判断、引き続き銀行からの融資も得られると信じていた。

しかし、2月25日には資産価値が一段安となった。銀行側から追加担保の差し入れ要求を受け、資金繰りに追われたペロトンは、運用資産の売却を試みるが、買い手は逃げ腰だった。このため、ペロトンは投資家に6億ドルの融資支援を柱とした再建策を提案、投資家は銀行が追加担保を延期することを条件とした。しかし、銀行側は延期はできないとして拒否した。

2月27日はさらに資産価値が下落、再建案は事実上破綻、ペロトンは同日夜まで保有資産を売却しようとしたが、翌日の午前4時には、ついにタオルを投げ、ベラー氏は憔悴しきって自宅に戻ったという。その翌日には銀行はペロトンの資産を差し押さえ、栄華を極めたペロトンは終焉を迎えた。

Dow Jones
WSJ(5/12) Peloton Flew High, Fell Fast



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