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大手投資銀行のヘッジファンド事業、勝ち負けはっきり分かれる

数年前、大手投資銀行は次々とヘッジファンド市場に参入してきたが、昨今の金融不安を受けて、ヘッジファンド市場での事業展開を再考するようになってきている。
5月31日付けのウォールストリート・ジャーナルによると、最近の信用収縮の中、シティやゴールドマン・サックス、UBSなど欧米の大手投資銀行は、ヘッジファンド・ビジネスについて、巨額の損失を引き起こしかねず、危険性が非常に高いものとして警戒する傾向が見られるという。

昨年、ゴールドマン・サックスの旗艦ファンド「Global Alpha」は40億ドルの損失を計上、またUBSの旗艦ファンドの1つ「Dillon Reed」は清算に追い込まれた。最近では、シティのヘッジファンド「Falcon」が約20億ドルの損失を計上している。

元々、ハイリターンを追及するヘッジファンドを運用するには、起業家のように独立心旺盛なマインドが求められるので、大手投資銀行という枠組みの中でうまくやっていけるのかは疑問視されていた。また、最近になって、シティなど銀行最大手がヘッジファンドの突然の損失により、相次いで訴訟を起こされたため、マイナス面を考慮した上でもヘッジファンド・ビジネスへ参入することにメリットがあるのか、改めて疑問を指摘する意見もある。

顧客からすれば、大手投資銀行が関係しているヘッジファンドのほうが、万が一、破綻など問題が起きた場合、資金力のある大手投資銀行に対して訴訟を起こしやすく好都合だ。しかし、大手投資銀行からすれば、訴訟を起こされれば、さらに巨額の損失を招くばかりでなく、評判を失墜することにもなる。

しかし、必ずしもどの大手投資銀行もヘッジファンド・ビジネスで損失を計上しているわけではない。モルガン・スタンレーが投資したフロント・ポイントやアベニュー・キャピタルなどのヘッジファンド運用会社は成功例だ。2006年の12月にモルガン・スタンレーが買収したフロント・ポイントは現在、運用資産額が70%増となっている。

また、最近の信用収縮の影響で、投資家が安定を求めて投資先に大手金融機関を選ぶケースが増えている。そのため、ヘッジファンド・ビジネスに進出している大手投資銀行にとっては、今こそ資金を獲得する絶好のチャンスだという見方もある。すでに、ゴールドマンサックスやJ.P.モルガンは、今年に入って新規ヘッジファンドを立ち上げている。

Dow Jones
WSJ(5/31) Banks Fumble At Operating Hedge Funds



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