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ヘッジファンド自然淘汰の時代が到来―新ファンドのローンチ数がピークから半減

ウォールストリート・ジャーナルは17日付の電子版で、昨年夏のクレジット市場危機を契機に、それまで巨万の富を生み出してきたヘッジファンドも自然淘汰の波にさらされている、と報じている。
数年前、ウォール街のトレーダーは気軽に独立して、自前のヘッジファンド運用会社を起こしては富を築いてきた。このわずか10年間で、数百本しかなかったヘッジファンドはいまや8000本を数えるほどにまで急成長している。

しかし、現在は、運用成績の良いファンドと悪いファンドとの格差が広がってきている。米調査会社ヘッジファンド・リサーチによると、上位10ファンドの昨年の平均リターンはプラス62%に対し、下位10ファンドはマイナス14%となっている。

また、運用資産規模が小さなヘッジファンドは、たとえリターンが良くても、廃業に追い込まれるケースも見られる。あるいは、著名なファンドマネージャーであっても、新ファンドをスタートさせるのが厳しい状況に直面しているのが現状だ。

ヘッジファンド・リサーチによると、2007年に新設されたファンドはわずか1,152本と、2005年のピーク時からほぼ半減している。また、昨年は多くのファンド運用会社が廃業したり、合併したため、昨年のファンドの増加数は、業界全体でわずか589本と、6年ぶりの低水準にとどまっている。

ヘッジファンド業界では、7-9月期に投資家のファンド解約が解禁となることから、6月末には解約請求が殺到する可能性が高くなっている。投資家からの新規資金流入も、最近のリターンが横ばいで低迷している。

こうした状況の中で、大手ファンドによる寡占化が進んでいる。昨年末時点で、ファンド業界の運用資産の87%が、運用額10億ドル以上のファンドで占めた。また、50億ドル以上の大手ファンドは、全体の60%を占めている。この2カ月間でも、業界最大手の英ヘッジファンド運用会社マン・グループが、運用額を40億ドル増の785億ドルに引き上げている。

リターンが良くても生き残れない例としては、ゼリオン・キャピタル・パートナーズがその典型ともいえる。同社は、昨年10月に大手のペレーラ・ワインバーグ・パートナーズに身売りしたが、その前の5年間の平均リターンはプラス21%だった。投資家は同社の運用規模が3億ドルと小さいことを理由に新規投資を渋っていた。

この背景には、機関投資家の大手志向がある。年金基金や財団などの機関投資家は、相場の下降局面でも利益を上げられるヘッジファンドへの投資を増やしてきているが、新参組のファンドよりも知名度の高いより大手のファンドを好むという。

ヘッジファンドにとっては、資金調達も頭の痛い問題となっている。これまでヘッジファンドは、多額の外部資金を取り入れレバレッジ比率を高め、リターンを高めるという戦略をとってきた。しかし、クレジット市場危機で、金融機関は資金の提供を抑制し始めたため、特に、新参組や小規模ファンドが資金調達難を引き起こしているという。

Dow Jones
WSJ(6/17) Shakeout Roils Hedge-Fund World



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