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ベアーS破綻ファンド運用者起訴受け、ヘッジファンド業界の情報開示後退の恐れ

米紙ウォールストリート・ジャーナルは24日付で、大手証券会社ベアー・スターンズの元ファンド・マネージャー2人が先週(18日)、証券詐欺罪で起訴されたのをきっかけに、ヘッジファンド業界で、運用資金の移動に関する情報開示や電子メールの扱い方を見直す機運が高まってきている、と報じている。
今回、起訴されたラルフ・シオフィ(52)とマシュー・タンニン(46)の両被告は、昨年2月ごろからMBS(不動産担保証券)市場が悪化、両被告が運用する2つのヘッジファンドの運用成績への悪影響が懸念されていたにもかかわらず、投資家には楽観的な見通しを示し故意に欺いた詐欺罪に問われている。

訴状によると、シオフィ被告は昨年春、運用資産価値が急激に低下する中、運用しているファンドに5億ドル超の資金取り崩し(解約請求)が発生し、ファンドの運営に大きな打撃を与えたが、その事実を投資家に知らせなかった。また、昨年4月には同被告自らが約200万ドルの資金を他のファンドに移し替えた事実も隠していた。

ヘッジファンドの顧問弁護士は異口同音に、今回の事件で、ファンド・マネージャーは、投資家の解約請求による資金取り崩しのタイミングを慎重に考えるようになったと指摘する。

ファンド・マネージャーは、投資家に対し、ファンドの投資家による資金取り崩しは90%までを限度とし、投資額の10%を最低限維持するという保証を与え、安心させるケースが少なくない。しかし、今回の事件をきっかけに、資金取り崩しに関する情報開示を避けるためには、こうした文言はあいまいにすべきだとの議論が起きているという。

また、ファンド・マネージャーによる社内電子メールについても、今回の事件を契機に見直す議論が強くなっている。具体的には会社のコンピューターに保存されている社内電子メールの消去を従来以上に頻繁に行うというものだ。

運用資産250億ドル以上のヘッジファンド運用会社のある顧問弁護士は、会議日程や昼食の会合など実害のない情報を除いて、業界では利用度が高いブルームバーグのメッセンジャーシステムの使用を禁じる措置を取ったとしている。

米証券取引委員会(SEC)に未登録のヘッジファンドの多くは、電子メールの保存は自社のコンピューターで60日間としているが、ブルームバーグのシステムでは最低5年間となっており、これはSEC登録のヘッジファンドの5年間保存規定と一致する。

Dow Jones
24 Jun 2008 00:46 BST WSJ(6/24)
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