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欧州市場、金利デリバティブの失敗で損失に直面するヘッジファンド

ウォールストリート・ジャーナルは26日付で、欧州の金利デリバティブ市場で、投資銀行やヘッジファンドの思惑が外れ、第2四半期(4-6月)で最大50億ドルの損失が発生する見通しになった、と報じている。
投資銀行やヘッジファンドは、クレジット市場危機が長期化の様相を呈してきたことから、各国中央銀行は金融市場に対する流動性対策として、短期金利を引き下げる一方で、インフレ圧力を緩和するため、長期金利を引き上げると予想、イールドカーブが右肩上がりの急勾配になると予想していた。

ところが、今月初めになって、欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁が7月にも利上げする可能性を示唆したことから、短期金利が上昇、長短金利の逆転現象が起こり、こうした思惑が外れている。

ニュースミス・ファイナンシャル・プロダクツのTJリムCEO(最高経営責任者)は、「トリシェ総裁の発言をきっかけに、イールドカーブのスティープニング(長短金利差の拡大)に賭けていた取引の巻き戻しが起こり、多額の損失が発生している」と指摘する。市場関係者は、損失は最大で50億ドルに達すると推定している。

アナリストやトレーダーによると、損失が最も大きいのは、フランスの銀行だという。仏銀行最大手クレディ・アグリコルは、同行の投資銀行部門であるカリヨンを通じて、金利デリバティブ取引を行っているが、同四半期に2億ユーロ(約3億ドル)の損失を計上する見込みだ。

米国でも今月初め、バーナンキ米FRB(連邦準備制度理事会)議長がインフレ懸念とドル安に対する懸念を強調したことから、欧州と同様な状況となっており、多くのアナリストやトレーダーは、米国の中小銀行は損失を受けている可能性が高いとしている。

ただ市場では、ヘッジファンドの一部では、逆イールドカーブで利益が出る戦略を取っていることや、50億ドルという金額自体も世界全体から見るとそれほど大きな金額ではないと見ている。また、どこかが単独で20億ドルという評価損を計上するなら別だが、それも考えにくいという指摘もある。

Dow Jones
26 Jun 2008 01:23 BST WSJ(6/26)
EU Rate Shift Undercuts Investors' 'Steepening' Bets



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