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低レバレッジ・フルヘッジで相場に臨むヘッジファンド―ジェフリー・パブリック氏

1日付のダウ・ジョーンズに、米ヘッジファンド運用会社パブリック・キャピタル・パートナーズを率いるパブリック氏の、リスクヘッジと運用姿勢についてコラム記事が報じられている。
ジェフリー・パブリック(Jeffrey Pavlik)氏は、過去十数年の運用歴でどのような相場においても、リスクヘッジを取ったポートフォリオにおいてしか資産運用を行っていないという。

パブリック氏にとってもっとも理想的な投資戦略は、市場の急激な変動に備えて常にリスクヘッジをしておき、またレバレッジも低く抑えるか、あるいはまったくかけないというものだ。

そのため、現状、一部専門家が株式相場は底を打ったと叫んでいる中においても、パブリック氏は、金融株へ投資する際、必ずリスクヘッジとして、医療や公共事業など安全な分野に対してより高い配分で投資を行なっているという。この戦略のおかげで、同氏は、今年に入ってから何度も起きた市場の急変動を無事に乗り切ることができている。

2004年に独立して以来、パブリック氏率いるヘッジファンド運用会社パブリック・キャピタル・パートナーズは、セクター別のETF(上場投資信託)の株式オプションを用いて、株式市場の部門別のボラティリティの差に乗じてリターンをあげてきた。しかし、昨年夏まで、ボラティリティはほとんどなく、他のほとんどのファンドが高いレバレッジをかけてS&P 500種指数のパフォーマンスを大幅に上回るなか、パブリックのパフォーマンスは3年連続でベンチマークを下回る水準にあった。

しかし、昨年は金融不安の影響で、S&P 500種指数がプラス5.5%のリターンに止まる中、パブリックのファンドはプラス12%を達成。今年も、S&P 500が年初来でマイナス14%となり、多くのファンドでパフォーマンスが低下する中、パブリックのファンドは、プラス1.07%とプラス圏を維持している。しかし、同社の運用資産は、現時点で233万ドルに過ぎず、設立以来のベンチマークとの比較でも、今年初めてアウトパフォームしたところである。

パブリック氏がこのような保守的な戦略をとるようになったのは、これまでの経験の影響が大きい。98年、バンク・オブ・アメリカで金利オプションの取引を担当していた当時30歳のパブリック氏は、債券の金利のボラティリティが通常範囲を逸脱したときにリターンを上げるという教科書どおりの戦略を教えられた。

しかし、同年夏にロシアの財政危機が表面化し、LTCMが破綻に追い込まれると、債券のスプレッドは劇的に拡大。ボラティリティは誰も経験したことのない水準に達した。古典的な教科書では、標準的な水準に戻ることに投資するチャンスだったが、実際にはほとんどのマネージャーがこれまで稼いだ巨額のリターンを数日でふいにした。

その後も、90年代後半のITバブル、そしてその崩壊、また昨年来の金融株の低迷を経験したパブリック氏は、同じ光景を目にしてきた。上昇相場において巨額のリターンを上げて得意になっていた多くのファンドやマネージャーが、最後には最悪の状況で資産の投売りに追い込まれた。

「たとえ朝起きて相場が10-20%上昇していようが、下落していようが、リスクヘッジしておけば、強制的にポジションの解消に追い込まれることはないだろう」とパブリック氏は語っている。

Dow Jones
01 Aug 2008 20:00 BST
DJ TIP SHEET: Cautious Hedge Fund Manager Pavlik Staying Hedged



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