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上場ヘッジファンド会社株への投資は「ヘッジファンド投資」に非ず

7日付のダウ・ジョーンズに、大手上場ヘッジファンド各社の決算発表を受けて、ヘッジファンド会社株への投資は、ヘッジファンド自体に投資するのと同じ効用が得られるわけではないと指摘するコラム記事が掲載されている。
ヘッジファンドは、そもそも大手機関投資家や富裕層といった、100万ドル以上の資金を気軽に何年も預けることができる人たちにしか手が届かない存在だった。しかし現在では、一般の個人でも簡単にオンライン取引で、オク・ ジフ(Och Ziff)やフォートレス(Fortress)など上場ヘッジファンド会社の株式を買うことができる。

ヘッジファンドは、著名トレーダーが相場の環境に関係なく、市場の非効率性を利用する戦略を駆使して、絶対的リターンを狙うと謳っている。この投資機会を、一般投資家も利用できるようになった点については、一定の評価をすべきといえよう。

しかし、ヘッジファンドは、本当に謳い文句通りの絶対的リターンを上げているかといえば、その点には疑問が残る。同紙は、「最近のヘッジファンドがリスクヘッジしているのは、自分たちの利益だけだ」と批判している。

例えば、大手ヘッジファンドのオク・ジフは、今年第2四半期の決算で、ファンド運用部門の収益を示す「Economic income」(ファンドの管理報酬や成功報酬など)が、15%増の9,330万ドルに達したと発表している。「Economic income」という項目は、ヘッジファンド業界特有の定義によるものだが、この勘定項目には、実際の利益だけでなく「利益になる可能性がある資産」も含まれるという。

そのため、米国で一般的なGAAP会計基準に基づけば、オク・ジフは第2四半期、6,080万ドルの純損失を計上していることになる。さらに、昨年のIPOに伴う費用などが計上されることで、支出は62%も増加している。

決算発表でオク・ジフは「金融不安の中、弊社は引き続き絶対リターンを確保し、投資家の資産を維持している」との声明を出している。しかし実際には、オク・ジフの株価は上場以来、約48%も下落している。同時期に、S&P500種指数は15%しか下落していない。

また、NYSE上場の英大手ヘッジファンド会社、GLGパートナーズも、6日に発表した第2四半期の決算で、9,360万ドルの純損失を計上した。GLGは、昨年の逆買収による上場に関する一時払い費用の1.4億ドルがなければ、黒字だったとしている。しかし、上場ヘッジファンドにおいては、こうした特別損失が常態化していると、同紙は指摘している。

そもそも、上場ヘッジファンド会社の株式にしか投資できない一般の個人投資家にとって、ファンドの運用成績はあまり関係がない。上場ヘッジファンド会社が、自社のファンドでどれだけ高いリターンを上げたとしても、会社自体の株価が上がるとは限らないためだ。

こうしたことから、上場ヘッジファンド会社の株式で、今のところ儲けているのは創業者とファンド・マネージャーだけ、と同紙は批判している。

Dow Jones
07 Aug 2008 13:19 BST
MARKETWATCH VIEW: Demystifying Value Of Hedge-Fund Investing



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