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なぜ機関投資家はヘッジファンドに投資し続けるのか

2013.06.07
ヘッジファンドの中には、学校基金の破綻を引き起こしたり、市場パフォーマンスを下回ったり、顧客から過大な手数料を徴収したり、順法精神に欠けたトレーダーによって運営されているなどの批判を受けているものもある。そこで起きる疑問は、なぜ、洗練された機関投資家は2兆ドルもの資金をヘッジファンドに投資している上、さらに新たな投資をしようとしているのだろうかということである。

 

理解に向けた1つのヒントは、世界初の「ヘッジファンド」の運用マネージャーとされ、バリュー投資の父、ウォーレン・バフェットの精神的な師であるベンジャミン・グラハムである。20年代の好況期に株式市場が達した価格水準に神経質になっていたグラハムは、好みの銘柄を買い、同時に嫌いな銘柄を空売りするという賢明な投資手法を編み出した。

こうした手法は、買った銘柄が売った銘柄をアウトパフォームした場合、極めて上首尾に機能し、たとえ相場全体が下げ相場となっていても、買った銘柄の下げ幅が売った銘柄の下げ幅を下回れば利益を確保できるのだった。こうした手法は一方的な上げ相場では市場パフォーマンスの後塵を拝すことになる。しかし、30年以上にわたる極めてボラタイルな市場環境の下では、ブラハムが考案した「ロング/ショート」アプローチは、インデックスの5倍のリターンを上げている。

短期的にマーケットがラリーした場合、ロングショート戦略は市場のパフォーマンスを下回るが、それは市場の下落リスクから身を守るプットオプションを買っているためとも考えられる。洗練された投資家は生命保険に金を払うことで死を免れることを後悔しないものである。

こうしたヘッジファンドの側面はあまり理解されていない。もう1つ、理解されていないのが、「平均的なヘッジファンド」というパフォーマンス指標である。さまざまなヘッジファンドの唯一の共通点は、特定の法的枠組みの下に資金をプールしているということに過ぎない。それぞれのヘッジファンドの戦略や投資対象は極めて多様であり、投資目的もさまざまである。ファンドの中には企業の買収発表を当て込んで利食い狙いで株式に投資するものもあれば、グローバルな経済の全体的趨勢から利益を得ようとするものや、債券の裁定取引に特化するものもある。巨大なリターンを狙うものもあれば、安定的に平均以上のリターンを挙げることを狙ったものもある。

だから、全てのヘッジファンドの平均パフォーマンスとは、サッカーとバスケットボールのスコアを平均するのに等しい行為だとも言える。

また、同一戦略を取っているヘッジファンドの上位10%と下位10%のパフォーマンス格差はとてつもなく大きく、その差は株式の銘柄選択で生まれる差よりはるかに大きい。投資家は平均的なヘッジファンドに投資するのではなく特定の個別のファンドに投資する。だから、ヘッジファンドの平均的なパフォーマンスはほとんど意味を持たないのである。

運用手数料2%、成功報酬20%というヘッジファンドのビジネスモデルは多くのファンドではあまりに高いものであり、今日のリターン環境では正当化が難しいものもあるかもしれない。とはいえ、スーパースターのメリル・ストリープが自分の映画出演料を自分で決められるように、過去のトラックレコードによって、そうした報酬体系を十分に正当化できるファンドもあるのだ。

確かにパフォーマンスが悪いファンドもあり、報酬が過大なこともあり、ならず者のマネージャーもいるのも事実である。だが、そうしたことは何もヘッジファンドに限ったことではなく、金融史を通じたあらゆる投資で起きてきたことでもある。表面的に悪い事実があるからといって、ヘッジファンドへの投資を裏付ける基本ロジックが誤っていることにはならない。

2兆ドルもの資金がヘッジファンドに投資されているという事実は、玄人の投資家が株式市場の一方向の動きに賭けを行うことを好まないことを示したものである。彼らはヘッジファンドに投資することで、ダウンサイドに対するプロテクション、市場の環境変化に合わせた柔軟な戦略の変更、そしてより広範な収益機会に対して金を払っているのである。

ソース:ウォール・ストリート・ジャーナル(2013年5月31日付)

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