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ヘッジファンド投資の魅力

ヘッジファンド投資は日本の投資家にも魅力的

2013.08.19
経済評論家、金融アナリスト
小田切 尚登 氏


1982年東京大学法学部卒業後、バンク・オブ・アメリカ(東京、ニューヨーク)を皮切りに米・独・英・仏の四つの金融機関で2009年3月まで勤務し、この間もエコノミスト誌(毎日新聞社)ほか多くのメディアに執筆。現在、J-CASTニュースに「グローバル時代に生きる道」を連載中。

自由自在に動くヘッジファンド

ヘッジファンドは大きなお金を、好きなように動かすのが特徴。彼らは常々大きく儲けようとするが、逆に大きく損をすることもあり、これを繰り返している。相撲取りのように、8勝7敗で勝ち越せばよいという世界だ。

いくつかターゲットを決めて、それに絞っていくのが一般的な戦略。たとえば金が上がりそうだと思えば、徹底的に金を買い、下がると思えば売り抜く。アップル株が上がると思えば、それを買い、上がりきったところで売りに転じる。次に昨秋から標的になったのが、アベノミクスを材料にした日本株高と円安だった。外国人買いの優勢で日本株は上昇し、円安についてもたとえばジョージ・ソロス氏が巨万の利益をあげた。そういう意味では、ヘッジファンドの戦略は非常にうまくいっている。

 

しかし、ヘッジファンドの多くは決して日本の専門家ではない。たとえばアベノミクスについても、日本人はよく知っているだけに、「本当にうまくいくのだろうか?」と疑問を持ってしまう。ところが内情をよく知らない外人からすれば、総理大臣と日銀総裁が一緒に協力してやると言っているのだからできるのだろう、という単純な理解のもとに投資をしてくる。

ヘッジファンドの動かすお金は非常に大きい。もちろん生命保険などの機関投資家や投資信託の動かすお金も大きいが、ヘッジファンドは自由自在に迅速に動けるのが特徴だ。そういう意味で身軽で柔軟性を持っているので、相場に対する影響力が格段に大きい。大手生命保険は莫大な資金を持つが、急に明日大きく動くということはできない。

ヘッジファンドはまだ日本株のポジションを持っているので、コメントを求められれば、「日本株はまだいける」と答えるが、これは単なるポジショントークにすぎない。彼らにとってたとえば日経平均で数百円の動きというのはたいした動きではない。別に日本株投資だけをしているわけではないので、日本人にとっては天地をひっくり返すような乱高下でも、ヘッジファンドにとってはいろいろなイベントの中のひとつにすぎない。

今秋にも日本株売りに回る可能性

ヘッジファンドはアベノミクスを信じて日本株を買い始めたが、これがいつまで続くのかはわからない。アベノミクスが信頼できるのかという問題もあるが、他に有利な投資対象が見つかれば、いつ日本株から引き上げてそちらへ資金を移してしまうかもしれない。

最近のヘッジファンドのコメントをみると、「日本株は投資対象としてはそろそろ終わりに近い」という声が増えている。欧州と中国の景気低迷を背景にディフェンシブな投資対象として日本株投資に傾注してきたが、アベノミクスの賞味期限切れも意識し始めている。もともと彼らの日本株に対するスタンスは、短期は買い、長期は売りなので、いずれは売って撤退していく。

たとえば消費税の引き上げが先延ばしされればそのきっかけになるだろう。日本人はデフレ脱却の障害にならないか真剣に考えるが、彼らは、日本は1000兆円もの莫大な公的債務を抱えているのだから、消費税はあげるしかないという非常にシンプルな発想をするからだ。ヘッジファンドは日本経済の実情について、それほど深いところまで知っているわけではない。安倍総理の実行力も問われることになり、アベノミクスの信頼性にも傷が付く。

消費税の問題はヘッジファンドの行動を変えるターニングポイントになる可能性がある。アベノミクスの息切れと消費増税回避が重なれば、彼らは今秋にも日本株に見切りをつけるかもしれない。

カリスマを信じるからこそ高い成功報酬体系も成り立つ

ヘッジファンドは最低投資単位が数千万円~数億円と高いので、一般人は投資できない。投資家からは当然、高いリターンを求められる。動きが激しいので、儲かったり損をしたりする中で、それでも大きなリターンをあげなければ生き残れない。そういう激しい競争の中を勝ち抜き、下げ相場でもむしろそれをチャンスとして大きな利益をあげてきたのが今、生き残っているヘッジファンドだ。そういったカリスマを信じる投資家がいることによって、ヘッジファンドの高い成功報酬体系も成り立っている。

ヘッジファンドの資産残高は順調に増えている。お金持ちがどこに投資しようかと考えたときに、ヘッジファンド以上に魅力のある投資先が見つからないというのが実態だ。それだけヘッジファンド投資には魅力がある。

日本人にとってもヘッジファンドは魅力的な投資対象だ。多くの日本人にとってヘッジファンドは〝怖い〟という印象があり、保守的な投資家にはまだ免疫がない。ただし、投資を本当に理解してよく認識している人であれば、十分に投資する価値のある投資対象と言えるだろう。
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