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預金封鎖、インフレ、財産税、富裕税、富裕層の資産が収奪される流れ

 「預金封鎖」がNHKニュース9の中で特集され話題となっている。預金封鎖は、資産課税の前に現金の流出を阻止するための措置だが、その前後の流れを見ると、多額の資産を保有する富裕層にとってはひじょうに厳しい流れであることが改めてわかる。


預金封鎖
 預金封鎖の前後の流れは、国民の資産を確保した上で、計画的に奪っていく過程が見えてくる。まずは戦前に国家が預金を推奨し、戦後に大インフレ到来、資産課税と流れていく。では、どのようなものだったのか。

 1938年4月(昭和13年)には、国民貯蓄奨励局が大蔵省の外局として設置された。そして、1942年度(同17年)には、目標貯蓄額として230億円を掲げ、国民に貯蓄を推奨した。「家は焼けても、貯金は焼けぬ」というスローガンで、国民の預金の吸い上げに努めた。

 戦後になり、債務と物資不足でハイパーインフレが起きるが、東京都の小売物価指数で見ると、戦後から6年で100倍になっていることがわかる。朝鮮戦争が起きた1950年(昭和26年)でようやく、物価は安定期に入った。

◆東京都小売指数
1944年(昭19) 2.098
1945年( 20) 3.084
1946年( 21) 18.93
1947年( 22) 50.99
1948年( 23) 149.6
1949年( 24) 243.4
1950年( 25) 239.1
1951年( 26) 309.5
1952年( 27) 300.5
1953年( 28) 311.0
1954年( 29) 321.2
1955年( 30) 307.7
1956年( 31) 306.7
1957年( 32) 313.8
1958年( 33) 310.0
1959年( 34) 309.3
1960年( 35) 313.1
1961年( 36) 322.5

 ただし、世の中には闇市が横行しており、「経済安定本部調査課と大来佐武郎」(成城大学経済研究所研究報告、浅井良夫著)には、「長野県では1946年に『リンゴ1本1万円の純利益』といわれたほどである」という記述もあるほどだ。

 たとえば1946年の課税の基準になった所得割合は、農林業で24.6%、鉱業で13.3%と捕捉されていない所得がかなりあるようで、現金の価値以上に物の価値が高かったことを示すものでもある。現金資産そのものの価値がひじょうに弱くなっていることがわかる。

 だが、闇市で大儲けした成金がその後も潤ったかと言えばそうではない。1946年3月2日~1952年、インフレの後、1人あたり保有を100円に制限して、新円に1対1で交換して、残額は強制的に預金させ、口座を封鎖した。もちろん、これは後に続く資産課税への布石である。1946年に財産税法がスタートした。

◆財産税の税率
1500万円超 90%
500万~1500万円以下 85%
300万~500万円以下  80%
150万~300万円以下  75%
100万~150万円以下  70%

 財産総額が10万円を超える分については課税されており、1500万円超になると90%以上が課税されるという厳しいものとなった。財産税は物納も認められたとは言え、天皇家から流出した資産は現在規模で2兆円とも言われているほどだ。

 そして、シャウプ勧告によって、1950年に施行された。5000万円超の人は超過分を毎年3%ずつ課税されていく。2000万円で2%、1000万円で1%、500万円で0.5%となっていた。その際の税収額は次のようになる。

25年度 5.2憶円
26年度 9.6億円
27年度 22.3億円

 結果的には3カ年度で終了しているが、財産の把握が現在よりも難しかったことが理由だとされている。しかし、現在は、マイナンバー制度で基本的な国民の資産は捕捉されているために、実施は当時よりも容易と考えられる。

 富裕層はもちろんのこと、国民全体への負担が過大となるが、「国民負担率問題を考える」(安田火災記念財団業書)では、国民負担率が上がりすぎた場合に、考えられる可能性がいくつか挙げられている。

 「給付水準が高すぎると、勤労意欲の減退が起きる。一方で、とりわけ負担が大きな富裕層は、節税、あるいは脱税などの課税逃れにインセンティブが働く可能性もある」「企業の海外移転を促す可能性がある」「財産課税のための資産捕捉を逃れるために、通貨と物との交換が進み、闇市とインフレが助長されたとの見方もある」などが指摘されている。

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