大波乱8 月ヘッジファンド指数 ショートバイアスが月次7.8%で圧倒
市場のベンチマークであるS&P500の8月の指数がマイナス6.03%となったが、ショートバイアス戦略がやはり7.85%と高いリターンをマークした。
◆戦略別インデックス(8月リターン、2015年来リターン)
アービトラージ -1.99% 1.66%
ショートバイアス 7.85% 2.08%
エマージングマーケット -2.86% -2.15%
エクイティマーケットニュートラル 0.95% 1.10%
イベントドリブン -2.81% -0.65%
ディストレス -1.44% -2.26%
マルチストラテジー -3.32% -0.01%
リスクアービトラージ -0.67% 0.93%
フィクスドインカムアービトラージ-0.04% 1.02%
グローバルマクロ -2.63% 1.15%
株式ロング&ショート -1.91% 3.10%
マネージドフューチャーズ -2.76% -2.68%
マルチストラテジー -0.49% 3.76%

ショートバイアス戦略は2012年からはずっと不調で、月次リターンがマイナスの時も多く、今年もずっと不調は続いていた。ただ、市場の混乱に浮上するものであり、展開が同戦略に向いた。
現在、市場は先に控える米連邦公開市場委員会(FOMC)をにらんでおり、高いボラティリティは今後も続くかもしれない。
株式市場の回復に伴い、上場投資信託のETFは2009年からほぼ一貫して右肩上がりで資産は増え続け、また、本数も2倍以上になっている。英調査会社ETFGIの統計によると、8月末時点で、市場で売買できるものも合わせれば5925本存在する。その資産総額は初めて3兆ドル(360兆円以上)を突破した。ヘッジッファンドの運用総資産額2兆7200億ドルを超えており、市場が株式シフトだったが、今後に向けた変化の動きも出てきている。
今夏に入ってから、米国2位の公的年金基金であるカルスターズ(カリフォルニア州教職員退職年金基金)が約200億ドル(約2兆4000億円)を債券とヘッジファンドに移し替えようという方針を固めている。同年金基金の運用資産の12%にあたる。
また、スタンレー・ドラッケンミラー氏も自身のファミリーオフィスの資産の20%を金ETFに振り向けるシフトを取っている。波乱の8月となったが、今後はまだまだ予断を許さない。
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