ノーベル財団の資産運用年利15.8%、株からヘッジファンドへシフト
ノーベル財団は、インフレを考慮に入れた最低限でも年利3.5%以上を運用ノルマとしている。運用総額は38億6900万スウェーデンクローナ(以下SK、約560億円)に上り、株式、オルタナティブなどのアセットアロケーションで運用を行っている。近年の運用パフォーマンスは次のようになっている。
2007年 4.7%
2008年 -19.0%
2009年 14.4%
2010年 5.5%
2011年 -2.6%
2012年 7.8%
2013年 15.3%
2014年 15.8%
2008年のリーマンショックは2ケタのマイナス運用になったものの、そのほかの年は安定的な運用が行われている。08年の運用損はノーベル財団にとっても大きな契機となったのか、2011年まで1000万SK出してきた賞金を2012年からは800万SKに減額している。その運用にあたっては、アセットアロケーションは次のようになっている。
株式 55%(56)
フィクスドインカム 12%(15)
オルタナティブ 33%(29)
()内は前年

全米2位の規模を誇る公的年金基金カルスターズ(カリフォルニア州教職員退職年金基金、CALSTRS)が、運用資産総額の約12%にあたる約200億ドルをヘッジファンドや米国債などに振り分けることを検討していることが明らかになっている。
一方で全米1位のカルパース(米カリフォルニア州職員退職基金)が約4000億円のヘッジファンド投資の引き揚を決めるなど、ヘッジファンドの組み入れの是非が別れている。
ただ、株式市場で下落局面も視野に入れ始めて、どう動くかであるが、ノーベル財団はヘッジファンドの割合を増やしているようだ。2014年末時点の主なヘッジファンド運用は次のようになる。
DEショー 87万8000(108万)
チューダーBVIグローバル 3万7100(4万7500)
ブレバンハワード 5419万2000(702万7000)
バイキンググローバル 5579万2000(1億992万5000)
2シグマ 8514万9000(1億1919万6000)
ミレニアム 1億2977万2000(1億9466万2000)
()内が時価、単位SK
ノーベル財団によると、最近クオンツ戦略で台頭している米NYの運用会社2シグマの運用が良かったことを述べており、簿価よりも4割の増加となっている。また、2シグマへ追加投資も行ったことも明らかにしている。
また、2014年の財団のすべての支出は、ノーベル賞の副賞などを含めて9860万SKで、緊縮財政が続いている。
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