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富裕層には増税、低所得者にはバラまく日本

 政府・与党間で2017年度からの消費税UPにともなう軽減税率を巡って議論が戦わされているが、そんな中で所得の低い年金受給者を対象に1人あたり3万円の給付(対象者は1000万人程度)を行う方針を固めるなど、低所得者向けの政策が立て続けに打ち出されている。最低限度のセーフティーネットは必要に違いない。だが、低所得者とともに社会の中では数的に「少数派」に属する富裕層や高所得者にとっては、自身の負担増に対して、こうした悪平等な「バラマキ」が行われることは失望につながり、必ずしもプラスに左右しないだろう。将来的に、人材の流出、国力の低下など日本の社会全体への不安もよぎる。

 一方ではお金を取れば、一方ではお金をバラまく。ただ、それはすべての人に対してではなく、所得の低い年金受給者1000万人などという話が出てくるところに一貫性の無さが現れる。それは票数の獲得が理由なのかもしれないが、唯一、一貫性があるのは、とりあえず富裕層や高額所得者から取るという姿勢である。

「働いたら罰金 ⇒ 所得税」
「生きているだけで罰金 ⇒ 住民税」
「死んだら罰金 ⇒ 相続税」
「働かなかったら賞金 ⇒ 生活保護」(不正受給者)

 インターネット上でこのような「標語」が出回ったことがあった。これは、あらゆるものが税金に結びつくことを独特の言い回しで表現したものだが、皮肉にも言い得て妙である。加えて、最後の生活保護のオチが実に秀逸でもあり、多くの人の共感を呼び、またたく間に拡散した。

 もちろん、税金とは罰金ではなく国民に義務として課されている正当なものだが、福祉や医療などのセーフティーネットとなる財源は個人で見れば富裕層や高所得者が圧倒的に多く負担している事実は否めない。

◆参考:4%の年収1000万円以上が全体の5割を納税◆


富裕層
 国税庁が発表している平成26年分の「民間給与実態統計調査」によると、高額所得者の一つの目安である年収1000万円以上の人が全給与所得者が納める所得税の約5割を支払っている。人数にして全給与所得者4756万人中のうちの199万人が、全納税額8兆5124億円のうちの4兆1777億円分を納税しているのだ。
高所得者の負担が大きいのは事実だが、中所得層も楽ではない。ただ、日本は低所得者に優しい国でもあり、税金を払う側と、もらう側がある程度はっきりしている面もある。

 そこからさらに、今年1月分からは、年収4000万円以上という最上位の区分が新たに設けられ、税率も40%から45%になった。住民税の10%と合わせれば、55%を納税することになる。

 米国ではレーガン政権時に財務顧問を務めたアーサー・ラッファー氏がラッファー曲線を提唱している。これは、税率を上げていけば税収は増加するものの、税率が100%になると勤労する目的が失われるため、税収も0になるという理論。同政権時には最高税率を70%から30%に引き下げたこともあり、連邦政府の税収が大幅に増加した。税率がすべてではないが、このような考え方もないわけではない。日本の年収ごとの所得税率は次のようになる。

◆年収ごとの税率と基礎控除額
195万円以下        5% 0円
195万円以上~330万円以下 10% 97500円
330万円以上~695万円以下 20% 427500円
695万円以上~900万円以下 23% 636000円
900万円以上~1800万円以下 33% 1536000円
1800万円以上~4000万円以下 40% 2796000円
4000万円以上   45% 4796000円

 所得税で取った上に、死亡時に財産に相続税として課税を行う。今年1月以降の分については相続税も6億円以上という区分が新たに設けられ最高税率は55%になった。同じアジアでも香港などのように相続税がかからない国は一度富裕層になってしまえば安泰である。ただ、日本は3代、4代と資産を継承していくことはなかなか難しい。もちろん、大富豪や超富裕層のレベルになれば、あの手この手で対策を打ってくるために、その限りではないが、日本社会は平等になるようにできている。

◆法定相続分に応ずる取得金額(税率、控除額)
1000万円以下 10% 0円
3000万円以下 15% 50万円
5000万円以下 20% 200万円
1億円以下   30% 700万円
2億円以下   40% 1700万円
3億円以下   45% 2700万円
6億円以下   50% 4200万円
6億円超    55% 7200万円

 平等社会である日本で、富裕層の収入や資産をきれいに奪っていることがわかるデータが存在する。クレディスイスが発表しているワールドウエルスレポート2014の中で、資産上位10%が持つ富の割合を各国別に示しているのだ。そのデータによると、日本はベルギーの47.5%に次ぐ低さで、48.5%となっている。

 上位10%の人が約5割の富を保有しているということを示しているのだが、たとえば最も格差が大きいロシアで84.8%、2位のトルコ、香港が77.7%。以下、インドネシア77.5%、フィリピン76%、タイ75%、米国74.6%、インド74%となる。

◆参考:日本の格差は下から世界2位◆

 そこまで悪平等が進めば国を出たり、資産を海外移転させるという選択はすでに当たり前のように取られている(資産移転は税金のためだけではなく、災害や放射能汚染などのリスクを回避するために行っている場合あり)。船井総研の調査では、本来は日本で落ちるはずだったが海外移転して日本政府が取り損ねたであろう税金が、シンガポールなど4国だけで年間390億円だという。ただし、実態はそれ以上かもしれないとも考えられている。

◆参考:「新富裕層vs国家 富をめぐる攻防」で再燃の税論争◆

 エイベックス・グループ・ホールディングス創業者の松浦勝人CEOが一昨年、フェイスブック上に「こんな僕でさえ富裕層といわれるならば・・・」と題して意見を展開し、大きな波紋を呼んだ。「僕は日本が大好きだが、日本は僕らを嫌いなようだ」などとしている。金持ちはあやしいとする風潮は何も今に始まったことではない。国税庁によって2004年分まで公表されていた高額納税者の氏名だが、制度がスタートするきっかけは、脱税の相互監視という目的だった。そもそも、世の中に怪しいものだという誤った認識を押し付けられてきたという面もある。

 一方で、高額納税者の公表は「社会に貢献した証」という解釈も存在していた。実際には、気持ちよく税金を払いたい、というのが本音だろう。再配分は必要だが、いつまでも国のサイフという見方をしていれば、本当に必要な人材を失うことになる。

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