神戸暮らしの非居住者イ・ボミ 納税は韓国で?

所属のマスターズゴルフ倶楽部のある神戸市内のマンションに母親と住んでいると言われているために、税務上はてっきり日本の国内居住者扱いかと思えばそうではないようだ。週刊新潮によると、神戸の自宅に戻るのは月曜日だけのために「恒久的な住居にはならない」というアドバイスを税理士から受けたのだそうだ。その上で、韓国で納税する方が4000万円ほど安くなると試算している。
居住か非居住は一般論として、物理的に6カ月以上の居住があるかどうかが一つの目安となる。ただ、この条件は体裁だけ繕う悪質な課税逃れのケースも相次いでおり、本当に生活拠点を移して居住実態があるのかどうか、という内実を国税庁も見るようになっている。この二つの条件が揃っていれば、御咎めはないようだ。
日本に仕事をしに来た外国人のスポーツ選手やアーティストの場合は、年収1000万円以上の場合は、その翌々年の報酬の中に含まれている消費税をアーティスト自身が申告する義務がある。所得税はスポンサーや賞金の提供元からから減徴収して支払われるために、直接は納税しない。それぞれ納税方法が異なるために、理解が進んでおらず、無申告の温床となっていた。
この点は会計検査院が国税庁に対して厳しく指摘しており、今後は納税忘れをなくするために、スポンサーなどが納税する「リバースチャージ方式」に改正されていくことになる。

つい先日、韓国籍の李知姫(イ・チヒ)選手が大阪国税局の調査で、約3億円の所得申告漏れを指摘される事案があったばかり。これは、イ選手が日本国内のツアーで得た賞金やその他の収入について、韓国だけで所得税の納税を行っていたという。2013年までの5年間で約3億円の申告漏れ。
ここで居住者か非居住者かの認定が必要となるが、大阪国税局は、イ選手が大阪を拠点に年間半年以上は日本国内で滞在しているとして、日本国内居住者だと判断した模様だ。この事案は、国税庁が外国人プロゴルファーに大きな関心を示していたことを表すものでもある。
欧州プロサッカーでも、リオネル・メッシ選手らをはじめ多くの選手が、肖像権などの知的財産をオランダやルクセンブルクに設立した子会社を通じて、祖国の南米のタックスヘイブンの子会社で受け取るというスキームを採用。この方式が流行し、多くの選手たちが税務当局から指摘を受けてきた。選手はできるだけプレーに集中するために、専門家のアドバイスに従って家族らが代わりに手続きを依頼するだけだが、当局に事案として指摘されてしまうと、一時的に大きなイメージダウンは本人に降りかかる。
国税庁は当然、ボミ選手にも関心を寄せているだろう。
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