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ヘッジファンド報酬ランキング 金も不動産も1位のグリフィン

 米誌フォーブスが発表した2015年のヘッジファンドマネージャー報酬ランキングで、シタデル・インベストメントのケネス・グリフィン氏が17億ドルで1位となった。旗艦ファンドのウェリントンをはじめ複数のファンドが2ケタリターンの運用で、自身の報酬も6億ドル増額に。また、米業界専門誌インスティチューショナルインベスター版の昨年のランキング1位と合わせて「2冠」を達成した。 
 

ケネス・グリフィン
ケネス・グリフィン氏
 リーマンショックが起きた2008年、大物ヘッジファンドマネージャー5人が米議会に召喚された。金融危機を起こした張本人かのようなことを印象付ける絵となったが、その中の1人にケネス・グリフィン氏がいた。ジョージ・ソロス、ジェームズ・シモンズ、ジョン・ポールソン、フィリップ・ファルコンの各氏と比べても格段に若かった。ただ、その後は唯一の生き残りとなっている。

 その後は設立した投資銀行はうまくいかずに閉鎖、夫人との離婚の係争もあった。しかし、ファンド運用は揺るぎなく、会社の運用総資産額は3兆円を優に超え、機関投資家から最も評価ポイントが高いランキング「ヘッジファンドレポートカード」では4位にランクインしており、ひじょうに満足度の高い運用会社である。また、NYの425パークアベニューに立地するオフィスビルの複数フロアをオフィスとして借り切り、年間の賃料は70億円以上にもなるという、オフィス賃料としても業界最高金額を誇る運用会社にもなっている。また、個人としてもNYのペントハウスを複数戸合わせて2億ドルで取引し、こちらも個人の一度の取引額としては最高額となっているほか、マイアミの6000万ドルのペントハウスの所有も明らかになっており、業界の不動産王でもある。

 現在まだ47歳。元FRB議長のベン・バーナンキ氏をアドバイザーに迎えたが、その就任理由が進化していくグリフィン氏の最先端の投資手法に興味、関心を持っていたからだという。ハーバード大の学生寮で始めた個人投資が、世界中から注目を集めるまでになっている。

◆2015年報酬ランキング
1 ケネス・グリフィン   17億ドル
2 ジェームズ・シモンズ  16.5億ドル
3 スティーブ・コーエン  15.5億ドル
4 デビッド・テッパー   12億ドル
5 デビッド・ショー    7億ドル
6 ジョン・オーバーデック 6億ドル
6 デビッド・シーゲル   6億ドル
8 イスラエル・イングランダー 5.5億ドル
9 レイモンド・ダリオ   5億ドル
10 ジョージ・ソロス    3億ドル

11 アンドレア・ハルボーセン 2.8億ドル
12 ジョセフ・エデルマン   2.5億ドル
12 クリストファー・ホーン  2.5億ドル
12 ジェフリー・タルピン   2.5億ドル
15 マイケル・プラット    2.25億ドル
16 チェース・コールマン   2億ドル
17 スティーブン・ソンフェルド 1.75億ドル
18 ピーター・ブラウン    1.5億ドル
19 ロバート・マーサー    1.5億ドル
20 ダニエル・オク      1.35億ドル

21 ステファン・マンデル   1.3億ドル
22 ルイス・ベーコン     1億ドル
22 ポール・チューダー・ジョーンズ 1億ドル
22 ネルソン・ペルツ     1億ドル
22 ポール・ジンガー     1億ドル
※敬称略

 グリフィン氏以外で目立つのは、初のトップ10入りした6位ジョン・オーバーデック氏。ここ数年、業界内外で注目されている2シグマ創業者。ここ数年の間、複数のファンドで2ケタ運用が続くクオンツ系の運用会社として知られている。5位のショー氏率いるDEショーの出身だが、データセンターで独自の投資環境や技術開発の研究を行っており、企業の発表、幹部の売買や機関投資家の売買、天候、それらに加えてツイッターなどSNSも合わせてデータと相場の動きを分析し、運用モデルの開発を行っている。

 また、12位のジョセフ・エデルマン氏は、パーセプティブ・アドバイザーズの創業者。ほぼヘルスケアセクターの株式のロング&ショートに特化していると言っても過言ではない。同社の旗艦ファンドであるパーセプティブ・ライフサイエンシーズは50%以上のリターンを叩きだし、昨年の10億ドル以上のファンドでは世界1位のパフォーマンスだった。

 運用の一線からは退いている大御所ジョージ・ソロス氏は前年の12億ドルから3億ドルに大幅減少している。

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 また、ブルームバーグのニュースレター、ブルームバーグブリーフ(米2月23日付け)に掲載された、2015年のヘッジファンド運用成績ランキングでは、報酬ランキングにも登場したジョセフ・エデルマン氏率いるパーセプティブ・アドバイザーズが運用する旗艦ファンド、パーセプティブ・ライフサイエンシーズが51.8%で1位となった。

◆ヘッジファンド運用成績ランキング(ファンド名、年率、戦略)
1 パーセプティブ・ライフサイエンシーズ 51.8% 株式L&S
2 メルヴィン・キャピタル        47.0% 株式L&S
3 セガンティ・アジアパシフィック    29.6% 株式マルチストラテジー
4 シレブラ・キャピタル         27.0% 株式L&S
5 テトン・キャピタル・パートナーズ   23.5% 株式L&S
6 エレメント・キャピタル        22.7% マクロ
7 ゴールデン・チャイナ         21.9% 株式L&S
8 ブラックストーン・センフィナ     21.0% 株式L&S
8 ティボーン・エクイティ        21.0% 株式L&S
10 クオンティテイティブ・グローバル   20.8% クオンツフューチャーズ

 1位のパーセプティブ・ライフ・サイエンシーズは、ジョセフ・エデルマン氏が、1999年に設立したパーセプオティブ・アドバイザーズが運用するファンド。同社はヘルスケアセクターへの投資を得意としており、最も時流に乗っている運用会社の一つでもある。

 コロンビア大学のバイオテクノロジーの教授を父に持ち、自身もプルデンシャル証券、運用会社での化学業界担当のアナリストとしての経験を生かして独立。運用資産総額わずか600万ドルでスタートした運用会社は、15年で10億ドルを突破した。かつてバロンズの取材には、自身のプライベートな資産もほとんどをファンドに入れているといい、「その方がモチベーションが上がる」としている。総合製薬会社ANIファーマシューティカルズは70億ドル以上、特殊医薬品メーカーのアセルRXファーマシューティカルズは約60億ドルを保有するなど製薬業界で影響力を持つ存在になっている。

 2位のメルヴィン・キャピタルの名前自体は日本ではなじみは薄いが、旧SACキャピタル(現ポイント72アセットマネジメント)出身者であるガブリエル・プロトキン氏が2014年に独立して設立した運用会社。古巣SACは、SEC(米証券取引委員会)にインサイダー取引を指摘され、総額約18億ドルという史上最大の処分金額を課された。SAC時代からエース級の運用担当者だったこともあり、スタートからほどなくして古巣の創業者スティーブ・コーエン氏らから資金が入り、9億ドルを集めている。

 ベスト10までに顔を出していないものの、ケンス・グリフィン氏率いるシタデル・インベストメントからは、
旗艦ファンドのウェリントンをはじめとして3本のファンドがトップ50入りしている。

15 シタデル・グローバル・エクイティーズ  17.2%
17 シタデル・タクティカル・トレーディング 16.6%
31 シタデル・ウェリントン         14.3%


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