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「パナマ文書」からもわかる 富裕層は国税より妻が怖い

 パナマの法律事務所がタックスヘイブンに会社を設立して資産移転や資産隠しを行う手助けをしていたとして、ICIJ(国際調査報道ジャーナリスト連合)が、それらの膨大なファイル、通称「パナマ文書」を調査しその一部を公開した。サウジ国王、プーチン大統領関連をはじめ各国首脳の取引もわかった。しかし、さらに興味深い点としては、大富豪たちが離婚からの財産分与など夫人に資産を取られないようにするために、同じ法律事務所に依頼していたという点だ。ある意味で、税務当局よりも妻が怖いという意味でもある。


パナマ文書
ドミトリー・リブロフレフ氏
 このスキームを助言し提供していたのはパナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」。各国首脳のほかにも、サッカーのリオネル・メッシ選手の資産管理会社メガスター・エンタープライズ社と同事務所との契約書も公開されるなど、様々な方面に波紋を呼んだ今回の調査結果の公開だが、史上最大級の離婚闘争ともなった、ロシアの大富豪ドミトリー・リボロフレフ氏の名前が出てくる。

 85億ドルの資産を持つリボロフレフ氏は、1987年にエレナ夫人と結婚し2人の子供をもうけた。2007年に夫人から離婚訴訟を提起されたが、大部分の資産をその直前の2005年に財産信託を行い、資産を長女名義に移転している。

 ◆参考:離婚するなら男はスイス、女はイギリス?【5000億円離婚訴訟】

 2008年には、ドナルド・トランプ氏の米パームビーチの豪邸を9500万ドルで購入。当時の同地取引としては史上最高となる。また、12年には米マンハッタンに8800万ドルのコンドミニアムを購入し、こちらも当時の同地の取引としては史上最高額に。また、13年にはギリシャの島を1億5400万ドルで購入するなどしている。他にも、英領バージン諸島、ルクセンブルク、パナマなどの会社を利用して、美術品やヨットなどの資産を動かしていることが判明している。

 エレナ夫人が求めた解決金は61億ドルで、ジュネーブ連邦地裁は第一審判決で夫人の主張の大部分を認めて45億ドルの解決金支払いを言い渡した。ただ、その後第二審で、スイスがハーグ国際条約を批准していることから財産信託の効力が認められ、6億ドルに大幅減額され、その後は和解が成立している(和解条件は非公表)。

 エレナ夫人は移転資産の行方を捜索するために専門家を雇っていたというが、もしも仮に45億ドルで解決していたとしても、すべての資産を回収することができたかどうか。ひじょうに有効な資産防衛策であることは間違いないだろう。リボロフレフ氏はもちろんだが、これこそ、スキーム助言提供者の笑い顔が浮かんでくる。

 また、他の例も紹介されており、英国の不動産デベロッパーの場合は、夫人と離婚訴訟で3200万ドルの支払いを命じられたが後に自殺。資産はモスクワの不動産取引などで失ってしまったと公表していたが、実際にはパナマなどの会社を使って資産をわからないように移転させていた。夫人側はICIJの取材に「ちょっとしたエンロンのようなものね」と答えている。

 フォンセカ事務所は当初はBVIの法人設立を行っていたが、当局からの監視の目が一時的に強くなったことを受けて、2005年からさらに設立が簡単で当局の監視も緩いパナマ、ベリーズ、セイシェルなど南米のタックスヘイブンでの法人設立を増やしていった。これらの設立法人は目的を達すれば数年の間にも閉鎖し、2010年以降は閉鎖も目立っている。

 今回のファイルは、ドイツの税務当局がフォンセカ事務所とドイツ国内の金融機関との取引において不正の疑いがあるとして関心を寄せており、南ドイツ新聞が取材を行っていた。ICIJは同新聞を通じてファイルを入手し、共同で調査し公表にいたった。

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