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国が動き出したFinTechで金融はどう変わる?

 日銀は23日、「FinTech(フィンテック)」の将来に関する初会合を日銀本店で開いた。FinTechは金融とIT(情報技術)を融合した分野で、世界的にも決済、資産運用、仮想通貨などに関して規模を拡大してきている。

 日銀の黒田東彦総裁はFinTechの技術が「金融に大きな変化をもたらす」ものであり「金融サービスの利便性向上や経済活動の活性化に結びつくよう、実用化に向け、中央銀行の立場からなし得る最大限の貢献をしていく」と述べた。


黒田東彦総裁/Getty Images
 一方で、黒田氏は情報の安全性確保などが課題だとも語っている。

 黒田氏は「eコマースやシェアリングエコノミーへの刺激など、実体経済への影響も注目すべきだ」と指摘。

 会合では、仮想通貨の中核技術であり、取引参加者が互いの金融取引記録を保有し合う「ブロックチェーン」と呼ばれる認証技術に関して活発に意見が交わされた。

 金融機関でもFinTech活用の動きは広がっている。横浜銀行や住信SBIネット銀行などがブロックチェーンを使い、10月から24時間、365日の決済が可能な低額送金のシステム構築を目指している。


 大手コンサルティング会社アクセンチュアが世界のFinTechベンチャーなどへの投資額を集計した。15年の世界全体で見た投資額は過去最高の222億6500万ドルで、14年の約2倍に拡大した。件数ベースでも1108件と前年比で約3割増えた。

 国・地域別ではアメリカ(122億1000万ドル)が全体の約6割を占めた。以下、中国の19億7000万ドル、インドの16億5000万ドルが続いた。


 FinTechに投資するという世界の流れに、日本は乗り遅れている。アクセンチュアの調査によると、2015年の日本のFinTech関連企業への投資額は6500万ドル(約65億円)で、首位アメリカの0.5%の規模にとどまっている。金額の大きさはアメリカが群を抜いているが、アジア域内でも中国の30分の1、インドの25分の1で、世界との距離はさらに広がるとの見方もある。

 日本の投資額が少ない理由として、国内のフィンテック関連の起業の少なさが考えられる。ほかにも日本の金融に顕著な規制の多さも足かせになっており、金融庁は来年の改正銀行法の施行により銀行がFinTech企業へ出資できる幅を広げ、世界との差を縮めたい考えだ。

 16年1~3月期の世界の投資額は53億ドル。前年同期比6割増のペースで拡大している。アジアでの投資が半数を占めているが、日本での投資案件はない。

 日銀は4月にFinTechセンターを行内に設置した。国際的に出遅れているFinTech市場の育成に向け、主役の民間をどうサポートできるかの研究に着手した。この日の会合は日銀とNECや日本IBM、NTTデータなど8社との共催だ。

 ここ最近FinTechが注目され、かつ伸びてきているのは、それが単なる「金融機関のIT活用」だけでない商品、サービスが多々登場していることだ。
 むしろ金融にまったく関係ないIT企業が、開発した技術を金融に適用、応用して消費者の利便性を高めたものたちだ。
 投資や資産運用には許可等が必要なものが多く、障壁は高いが、FinTechには国が乗り気である以上、ますますFinTechの活躍する分野が増えていくことだろう。

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