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お金持ちがさりげなくこだわるのは文房具

「本当のお金持ちは“いかにもお金持ち”という見た目をしていない」
 このことはゆかしメディアでも何度も取り上げてきた。
 自分を大きく見せる必要がない、逆に目立つことを嫌う、そういう人たちゆえ、華美なものを好むことはない。


George Marks/Getty Images
 お金持ちの傾向として「こだわるものにはこだわる。こだわらないものはとことん機能重視」というものがある。
 車が好きで車にはお金をかけるが、服はファストファッションブランドのもの、時計にはこだわりを持っているが、そのほかの身につけるものはすべて家族が選んだというように、メリハリがつけられていることが多い。

 そのため、これもあくまでも傾向の1つではあるが、文房具にこだわる人は多い。「文房具は仕事で使うことも多いもの。どんな文房具を使っているかで、一緒に仕事のできる人かどうかをチェックしている」という人はいる。それゆえ、自身もしっかりした文房具を使っている人は多い。

 文房具といってもいろいろある。お金持ちがこだわるものはノートなどいくつもあるが、ここではペンについて取り上げる。彼ら彼女らはペン、万年筆やボールペン、シャープペンシルなどにこだわりを持っている。

 ビジネスの場で、相手が使っている道具に対し「そのペン、どこの会社の製品ですか?」から話が弾むこともある。ものすごい主張をしてくるわけではないが、さりげない存在感を放つものとして、さりげないこだわりを持ちたいお金持ちにウケがよい。

高いペンと安いペンの違い

 ペンにこだわる人が多いのは、その機能性による部分も大きい。よいペンはしっかり手になじんですべりにくく、長時間使用していても疲れにくい。
「すべらないよう、持ち手部分にゴムを取り付けた」という安価なペンはたくさん売っており、それらのペンも機能性は高いが、ペンの素材そのものが手になじむ高級なペンの安定感、書きやすさは別格だ。

 安価なペンと高級なペンのその他の大きな違いは、重量感だ。高級なペンは金属や質感のある木材など、ある程度の重量がある素材を使用しており、それなりの重さがある。ペンによってはそれが「重すぎて使っていて疲れる」という人もいるが、その重量感を好む人は多い。

 ただ重いだけでなく、ペン全体の重量感のバランスがとられているので、ペンを持つ手が安定する。それが書きやすさにつながり、しっかりした字が書けるのだ。

人気メーカー、人気のペン

 高級なペンは多くの国で生産されている。ペンを使用してきた歴史が長いこともあり、ヨーロッパには老舗のメーカーが多数存在する。


Andreas Rentz/Getty Images
 イギリス、フランス、ドイツ、スイスなどのメーカーが有名で、モンブラン、ダンヒル、ペリカン、カランダッシュ、パーカー、ファーバーカステルなどの名前は聞いたことのある人も多いだろう。高級ペンを取り扱う文房具店やコーナーを大きくした店が増えたほか、専門店を構えるメーカーも多くなってきた。

 それぞれの製品のファンがいる。「ペンはこのメーカーしか使わない」という人も多い。
 日本の文房具メーカーも趣向を凝らしたものを生産している。ペン製造の歴史ではヨーロッパに劣るが、「メイド・イン・ジャパン」の品質の高さが多くの支持を受けている。日本のマーケットやペンの用途を熟知した商品開発力が評判だ。

 価格もペンの種類や施された装飾などにより大きく変わる。数千円で購入できるものから数万円、数十万円やさらにケタが増えるものもある。こだわり始めればいくらでもこだわれる分野だ。

「書きなれたペンを高級ペンのように使用する」というツールもある。「ペンジャケット」という道具だ。
 聞き慣れない言葉だが、インクの交換が利かないタイプのペンにより安定感を持たせ、見た目をよくするために使うものだ。


ITOYA110 ペンジャケットシリーズ
 老舗文具店の伊東屋が、創業70周年を迎える文具メーカーのぺんてると共同開発した「ITOYA110」は、ぺんてるの誰もが使用したことのあるペンたちを高級ペンに変える。
 アメリカの第36代ジョンソン大統領が24ダースを購入したサインペンや、イギリスのエリザベス女王もダービー競馬場で愛用しているというボールペンなど、日本だけでなく世界中で良く売れている、ロングセラーのペンたちを入れて使用するケースだ。
 真鍮のシンプルなデザインが、使い慣れたペンに新たな価値を与える。

 デジタル化が進み、手書きの機会は減ってきているが、手で文字を書くことがゼロにはならない。また、機会が減っているからこそ、手書きの価値は高まっているとも言える。

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