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税制改正、注意すべきポイントはここだけ!

 2017年度税制改正大綱が発表された。大きな注目を集めたのが所得税の配偶者控除だが、その部分の解説はほかのメディアで行われているので、富裕層に直接関係する部分の大きい相続税に関する部分を、相続税を専門にするさいたま新都心税理士法人の名護税理士に解説いただいた。

相続税・贈与税、土地に関して

「相続税・贈与税に関する部分としては、まず 海外資産の相続税・贈与税 に関する課税の強化です。現在は相続人と被相続人が海外に5年超住んでいれば、海外資産に相続税・贈与税 はかかりません。今後は、海外での居住期間が 10年以内の人には海外資産にも日本の相続税・贈与税 をかけられるようにします。

 タックスヘイブン(租税回避地)を利用した節税についても見直しがされます。

 その他土地に関することとして、広大地の評価方法の見直し があります。広大地とは、文字通り広く大きな土地(一般に大都市圏で500㎡以上)を言いますが、諸条件を満たさないと広大地と認定されません。
 広大地と認定されると最大で65%の評価減となりますが、今までは諸条件を満たせば一定の算式に当てはめて評価額を算定する計算方法でした。

 自民党の税制大綱にはこうあります。
『広大地の評価について、現行 の面積に比例的に減額する評価方法から、各土地の個性に応じて形状 ・面積に基づき評価する方法に見直すとともに、適用要件を明確化する』
 現段階では具体的な内容は明らかではありませんが、土地の形状によっては増税の方向に振れる可能性があります。地主の方などに関係してくる改正だと考えられます。


Getty Images
 目玉改正の1つと言われるのが、タワーマンションの所有者は、上層階に部屋を持つ人ほど税負担が重くなることです。2017年4月以降に購入する高さ60m超(20階以上)の高層マンションは、上層階の固定資産税・不動産取得税が低層階に比べて高くなります。

 低層階はむしろ減税になります。この話は、固定資産税や不動産取得税の税額を引き上げるものです。問題視されている『相続税のタワーマンション節税』の財産評価に関する改正は今回示されていません。2018年度税制改正で増税の方向で検討していくとの事です。タワマン節税の本命は財産評価でしょうから、今後の動向に注意が必要です」

 加えて非上場株式の評価に使われる「類似業種比準方式」についても見直しが行われる。

「非上場株式については企業の業種 と類似する上場株式の高低が反映される類似業種比準 方式を重みづけ平均して評価されています。一般的には純資産の評価よりも類似業種比準 を使った評価の方が低くなりますが、小会社よりも大会社の方が類似業種比準 の重みが高くなる、つまり大会社の方が株の評価が低くなり有利な状況となる仕組みになっています。

 この評価方法について、利益に対する重みづけが軽く、また、大会社、中会社の適用範囲を広げる改正が予定されています。いずれも評価額が下がる、つまり、有利となる改正になる見込みですが、簿価純資産が大きい会社は比重が大きくなることから株価上昇の可能性があります。

 さらに、非上場会社の事業を承継した際の納税猶予についても条件が多少有利に改正された部分があります。 資産家の方には企業オーナーが多いと思いますので、この辺りも注目すべきところでしょう」

報道ほど大騒ぎするものはない

 専門家の解説をもとに、今回の改正をどう考えるかと言うと、結論は「そう大きなものはない」だ。どれもパナマ文書などの事件を受けて、富裕層の課税逃れに対する批判をそらすために行われているものばかりで、今回の決定により大きく変わる部分ははっきり言って存在しない。

 広大地に関する改正も、今までが杓子定規だったのが柔軟になるだけで、それにより劇的に何かが変わるものでもない。

 タワーマンションも同様だ。不動産は基本的に1点ものであり、場所も広さも景色も千差万別だ。物件によっては、高層階というだけで増税ならば、減税になる低層階を購入したほうが税金対策として有利になるなどの可能性もある。

 広大地の評価は柔軟な対応をしていくが、タワーマンションに関しては杓子定規のままで、現時点では対応が間に合っていない。

 ただし、
「課税当局もタワーマンションや持株会社を使った過度な節税について目を光らせており、税務調査において財産評価基本通達を使った評価額が常識的な時価と比べて著しく低いと思われるものについては、積極的に否認すべしという方針で動いていると聞きます」(名護税理士)
 今回の改正で抜本的な解決がなされなかった以上、このような動きにも注意が必要だ。


名護茂子税理士
 大きな話題となった配偶者控除に関しても、元々は専業主婦でも共働きでも結婚世帯を税で支援する「夫婦控除」を政府・与党は導入する案を検討していたという。
 しかし、専業主婦の反発を恐れ、配偶者控除の見直しにとどめた。

 海外資産、タワーマンションに対しても同様だ。反発を恐れた対応に終始しており、富裕層が優遇されているという批判をかわすための、それなりのように見えるが中身のない改正を出したに過ぎない。

 加熱する報道に踊らされないようにせず、必要な対策を着実に行うようにしたい。

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名護 茂子
さいたま新都心税理士法人代表社員。
税理士。相続・事業承継専門。

一部上場会社勤務後、相続税・資産税特化税理士法人等において資産税業務を担当。
単純な株式の贈与・相続から組織再編等を取り入れたタックスプランニングまで、それぞれの事情に合った対策の提案・実行を行っている。

さいたま新都心税理士法人
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