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経営者が年末年始に考えたい“会社のノリ”問題

 会社には「社風」がある。社風はいつの間にかできあがっているもの、と思われているが、実は社風をつくり上げる大きな要素がある。それが「ノリ」だ。「ノリがいい」「ノリが悪い」といわれるそれだ。

 ノリはかなり、個人の価値観に基づいている。たとえば、仕事中は雑談をしたりとにぎやかな会社もあれば、従業員が黙々と仕事に打ち込む企業もある。どちらが正しい、間違っているという話ではない。

 個人の価値観に基づいているので、変わるものでもない。静かに自分のペースで仕事をし、終わったら帰りたい人にしてみれば、「仕事の続きは飲みながらワイワイやろうぜ!」という人たちを「面倒なノリの人たち」と思うだろう。
 逆もまた然りで、「長い時間を過ごして、仕事に関係ない話をするほうが、絆も深まっていい仕事ができる」と考える人にすれば、飲みに付き合わないのは「何だあいつノリが悪い」ということになる。


 同じノリを共有できる組織は強い。ノリ=価値観とも言えるだろう。根底でつながり合い、同じ価値観を共有できる。

 組織の目指すものを深いレベルで理解し、そして行動に移すことが可能になる。当然よい結果にもつながっていく。

 一方、そこまで高い効果があるとなると、反動も大きい。ノリが合わない=ハラスメントにつながりやすいことがデメリットとして挙げられる。
 同じノリを共有していると思っていると、相手も自分と同じ熱を持っている、自分の熱が伝わっていると考えるものだが、ノリが合っていないと、その熱は伝わっていないことになる。

 ノリを共有しない相手に対し「どうしてわからないんだ!」と苛立ちや怒りを覚えることにもなりかねない。昨今増えている労働環境に関する問題の根底に、ノリは関わっている。ノリは実は根深い。

ノリも会社のステージに合わせて変化する

 ノリを形成する、ものすごく大きな要素がある。「体育会系か、そうでないか」だ。
 企業の社風に詳しい社会保険労務士の大槻智之氏に話を聞いた。
「日本の会社は、学校の部活、体育会的な流れを強く汲んでいるところがたくさんあります。程度に差はありますが、体育会的な組織の象徴とも言えるのが『ノリがいい』です。

 日中の仕事以外でも飲みはしょっちゅうあり、宴会芸なども披露する、酒を酌み交わすことでお互いの関係を深めていく。それがいい仕事につながる。
 学生時代の部活動のときからそうやってきているので、それが当人たちの『ノリ』になっています。


 ベンチャー企業の立ち上げなども、ノリで動く典型でしょう。仲のいい人たちが『こんなサービスがあったら面白いよね?』『役に立つと思う』『儲かりそう!』
 そんな風に盛り上がり、スタートしていくことが大半です。

 ところが誰もがそのような体育会の経験をしているわけではありません。体育会的な濃密な人間関係を好まない人も多いでしょう。

 しかし濃密なのは嫌だと思っているのはその組織で数人だけとなると、これはきつい。大多数を占める人たちからのハラスメントの原因にもなります。

 ベンチャー企業でも、立ち上げの時期を終え、会社が大きくなると、とにかく大きくしようという考えから、安定した拡大を目指す時期が訪れます。
 そのとき会社に必要なのは、『ガンガン行こうぜ!』よりも『前年と同じ売上を拡大し続けるには~』という冷静な判断ができる人かもしれません。
 ベンチャー企業と大企業のノリが異なるように、会社の規模に応じてノリも変化していくでしょう。

 ノリの光と影として、体育会的なノリの組織は、カリスマ社長が生まれることがよくあります。求心力のある社長が『行くぞ!』と声を発し、社員が『おーっ!』とついていく。中小企業などによくある光景ですね。
 また、体育会的な組織は上下関係に厳しいことが多く、体育会に属したことのある人は必ず下級生だったときがありますから、『上の人の言うことにしっかり従う』文化があります。そのような背景、まさにノリも、カリスマの誕生を後押しします。

 体育会的なカリスマ、特に創業社長の問題点は、すべてノリで会社をまとめ、引っ張っていってしまうことです。組織としてはそのときはうまくいくかもしれませんが、マネジメントとしては失格です。

 リーダーシップとマネジメントは、全く性質の異なるものです。断言しますが両方を完璧にこなせる人は、いません。程度に差はありますが、カリスマ社長はおしなべて人の育成が苦手なものです」

「ワンマン」と言われるのを嫌がる社長たち

「私は、中小企業の社長は全員ワンマンでいいと思っています。経営者がすべて決める、社員は経営者である自分の求める仕事をしてもらう、社員の評価基準も自分をいかに喜ばせたか。
 そして、『喜ばせる』にもノリが関わっています。極端な例ですが『社員からゴマをすられると自分は喜ぶ』ならそういうノリ、『社員がどんどん新しい提案を持ってくると喜ぶ』ならばそんなノリなのです。

 人事評価制度を導入している会社も多いと思いますが、なかなか数値化できない評価項目は存在するものです。
 そうすると結局『元気がいいから、積極的に動くから高評価』といった基準に落ち着きます。ここでも『元気がいい=価値がある』『積極性がある=よく動いてくれる、というノリであり、元気はなくても熟考してから動くタイプの慎重派は、この社長のノリからすると評価されない社員、ということになるわけです。

『中小企業は経営者がすべて』と言えます。ソフトバンク=孫正義さんの会社であるように、大きな会社でも同じではありますが、中小企業は構成員の数が少なく、社員全員の顔が見えるくらいの規模ですから、見えることで特に意思統一を図りやすいのです。


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 多くの経営者が『会社は人』とか『人財』といった言葉を使ったりしますが、多くの会社の経営サポートを行ってきた私に言わせていただければ、会社は100%経営者であり、経営者の器以上に大きくなることはありません。

 ワンマン経営は、失敗すると止める人がおらず暴走してしまうことにもつながりますが、有能な人が行えば、スピード感のある意思決定、実行が行えます。社内の方針もしっかり統一できていてブレがない。最強の組織です。

 ですが、みなさん『あの社長はワンマン』と言われるのを嫌がるんですね(笑)。ワンマン=話を聞かない、独裁者というイメージだからでしょう。

『うちの会社ってこんなノリだな。それってほかの会社もそうなのかな?』と、経営者の方にはぜひ考えていただきたいですね。
 ちょっとしたことと思われるかもしれませんが、実はとても重要なので、時間をかけてしっかり考える価値のあることです。

 そしてそれを、経営者仲間にも確認してみていただきたいと思います。
 経営者は社内に対してはワンマンでいいですが、ワンマンで間違いのない決定をするためには、ぜひほかの会社の話なども聞いてみてください。

 なお、その際も、経営者仲間は自然と似たようなノリの人たちが集まっていることが多いですから、あえてまったく違う業界、雰囲気の会社を覗いてみるなどして、違うノリを体験するとよいかと思います」

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 大槻智之(おおつき・ともゆき)
 特定社会保険労務士/大槻経営労務管理事務所代表社員
 1972年4月東京生まれ。日本最大級の社労士事務所である大槻経営労務管理事務所代表社員。株式会社オオツキM 代表取締役。OTSUKI M SINGAPORE PTE,LTD. 代表取締役。

 社労士事務所「大槻経営労務管理事務所」は、積水ハウス、キーコーヒーなど有名企業も含め現在日本国内外の企業500社を顧客に持つ。また人事担当者の交流会「オオツキMクラブ」を運営し、250社(社員総数25万人)にサービスを提供する。
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