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エアウィーブを研究開発。スタンフォード式「最高の睡眠」とは?

「とはいえ、1日10時間も眠ることは現実的ではありません。最新の研究で、睡眠時間にはかなり個人差があることもわかってきました。1日3時間しか眠らなくても、充分に眠ったと思えるショート・スリーパーの人もいます。
 ただし、それは特殊な『短時間睡眠の遺伝子』とでも言うべきものを持っている人だけで、普通の人はやはり1日に6時間くらいは眠りたいものです。そして、睡眠の質を高めていただきたいと思います。

 眠り方にもコツがあります。眠り始めの最初の90分間を深く、しっかり眠るのです。


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 眠りにはレム睡眠(脳は起きていて体が眠っている睡眠)とノンレム睡眠(脳も体も眠っている睡眠)の2種類があり、それを繰り返して人は眠っています。 

 寝ついたあと、すぐに訪れるのはノンレム睡眠で、最初の90分間のノンレム睡眠は、睡眠全体の中で最も深い眠りです。
 ここをいかに深くするか、それが大切です。それだけでその後の睡眠リズムも整い、自律神経やホルモンの働きもよくなり、翌日のパフォーマンスも向上します。

 仮に4時間しか眠れなくても、最初の90分の質がよければ、質のよい睡眠となります。
 もっと長く眠れれば、その効果はさらに高くなります。
 最初の90分は、眠りのゴールデンタイムなのです」

「習慣」と「体温」がカギ

「どうすれば、最初の90分の質をよくした睡眠がとれるのか。1つは、就寝時間を固定することです。
 いろいろな方法はありますが、実は『習慣になっていること』に勝るものはありません。たとえばいつも夜12時に寝る人は、毎日のことならば自然と12時頃に眠くなるようになっていきます。
『眠くなったときに寝る』それが、質のよい睡眠には欠かせません。
 あまり頭を使ったり深い考え事などをすると、脳が興奮状態になり質のよい睡眠を阻害します。逆に言えば、寝る直前はあまり頭を使わないほうがよいので、『何も考えずいつも決まった眠くなる時間に寝る』は、最強の方法なのです。

 次に整えたいのが、体温です。
 入眠時には体温が自然に下がり、質のよい眠りが生じます 。睡眠中は温度を下げて体の器官や脳を休ませているのです。
 逆に言えば、夜に体温がしっかり下がれば体は眠りへと近づき、スムーズに眠ることができるのです。

 もっとも簡単に体温を下げる方法、それはお風呂に入ることです。
『入浴で身体がぬくもるのになぜ?』と思われる読者も多いと思いますが、体温は一度上がると下がる性質があるのです。入浴などで人の体温が上がった後、手足にたくさんある毛細血管からその熱が放散され、その後体温はグッと下がってき、入浴しないときよりさらに下がります。
 お風呂に入って一度体温を上げ、その後下げる、それが効果的です。そのために一番よいのは、就寝90分前に入浴することです。
 40度のお風呂に15分入ると、体の表面だけでなく奥深いところまで体温が0.5度上昇します。
 それだけ上がると、今度は体は上がった温度を下げようとします。0.5度上がった奥深い部分の体温が元に戻るまでに必要な時間が、90分です。
 そのように体温が下がっていくタイミングが、もっとも質のよい眠りに入れるときなのです。

『忙しくて、90分前にゆっくり風呂になんて入っていられない』という人は、逆にゆっくりお風呂に入らないほうがよい睡眠が取れます。
 風呂で体温を上げすぎないように、ぬるま湯で入浴するか、シャワー程度に済ませたほうが効果的です。
 シャワーよりも短い時間で効果があるのが、足湯です。人の体の熱は、表面積が大きく、毛細血管が発達している手足からたくさん出ていきます。
 足湯で足の血行をよくして熱放散を促すのには、短くても入浴と同等の効果があります」

エアウィーブが理にかなっている点

「私が研究開発にかかわったエアウィーブの寝具がよくできている部分は、この入眠時に大切な熱放散に優れていることです。
 体は熱を手足から放散することで上がった体温を下げているとお伝えしました。
 睡眠中、しっかり休めるためには体温も下げたほうがよいことから、寝具も熱がこもらない、通気性のよいものがいいでしょう。
 エアウィーブの寝具は、通気性が優れています。そのため、入眠時に体温が下降し、深い睡眠が出現します。『快眠のために体を冷やす』エアウィーブはその目的を果たすうえでよくできているマットです。

 日本古来のそば殻の枕なども、通気性に優れてひんやりしますから、枕に使われるのは理にかなっていると言えます。

 枕に関しては、硬いものが好き、柔らかいものがいい、反発は大きいほうがいい、反発しないほうが好みと人によりいろいろありますから、『すべての人に共通してこの枕がいい』と言うことはできません。

『自分は寝る前にいつもこうしている』という習慣があるのなら、無理に変えようとせず、それに従うのがよいと考えています」

「発言」で、日中の眠気をなくす!

「最後に、日中の眠気を取るための効果的な方法をいくつかお伝えしたいと思います。
『眠いときは15分程度の仮眠を取ると効果的』とされ、その通りなのですが、『仕事中に仮眠が取れるなら苦労しない』という方も多いと思います。仮眠室などを備えている会社は少数でしょう。
 カフェインを摂取する、ガムを噛むといった方法はすでに多くの人が実践しているでしょうから、そのほかに効果のある方法として『会話』があります。

 話をするというのは、強い覚醒効果があります。しゃべるだけで眠気は飛んでいくのです。
 話を聞いているだけの眠い会議でも、あえて積極的に発言してみるのです。アメリカでは『発言しないものはそこにいないのと同じ』という文化があることから、会議でも積極的な発言が求められます。そのためでしょうか、アメリカで会議中にうとうとしている人というのはほとんど見かけたことがないように思います。

 日本の会議とは性質は違うでしょうが、眠気に耐えているだけの会議に出ているならば、能動的にかかわるほうが意味があるのは間違いありません。
『ミーティングでは質問しよう。細かなことでもいいから発言しよう。疑問はその場で解消しよう』そのつもりで会議に臨めば、眠気も少しずつ姿を消すのではないか、そう思います」

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 西野精治(にしの・せいじ)
 スタンフォード大学医学部精神科教授、同大学睡眠生体リズム研究所(SCNラボ)所長。医師、医学博士。
 1955年大阪府出身。1987年、当時在籍していた大阪医科大学大学院からスタンフォード大学医学部精神科睡眠研究所に留学。突然眠りに落ちてしまう過眠症「ナルコレプシー」の原因究明に全力を注ぐ。

 1999年にイヌの家族性ナルコレプシーにおける原因遺伝子を発見し、翌2000年にはグループの中心としてヒトのナルコレプシーの主たる発生メカニズムを突き止めた。

 2005年にSCNラボの所長に就任。睡眠・覚醒のメカニズムを、分子・遺伝子レベルから個体レベルまでの幅広い視野で研究している。
「睡眠の謎を解き明かして社会に還元する」を命題としており、多くのアスリートから支持されている「エアウィーヴ」の開発研究にも携わった。

 2016年4月より一般社団法人良質睡眠研究機構の代表理事に就任。科学分野の人材育成への思いから、大阪教育大学附属高等学校天王寺校舎北米支部同窓会会長も務めている。
 日本語での著書に『スタンフォード式 最高の睡眠』(サンマーク出版)がある。同書は発売1週間経たずして4刷となるなど売れ行き好調。

 1968年にウィリアム・C・デメント博士により創設された「スタンフォード大学睡眠研究所」は、世界の睡眠医学を牽引しており、数多くの睡眠研究者を輩出していることから「世界最高の睡眠研究機関」と呼ばれている。
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