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有事の前に、今ヘッジファンドは何を考えているのか?

 北朝鮮とアメリカの緊張状態、EU離脱の可能性も残るフランスの総選挙など、市場を大きく左右しうる要因が多々発生している現状において、ヘッジファンドの動きで顕著なものは何があるかを見てみよう。


Getty Images
 有事の可能性が高まったときに値上がりするのが、なんといっても金だ。ヘッジファンドが金相場上昇を見込んだ買い越しを進めている結果、金の価格は昨年11月以来の高水準、4月26日現在1265ドル前後となっている。

 金の価格に関してはヘッジファンドの見込んだ通りだが(むしろ有事に金以外にチャンスと考えるほうが珍しい)、見込みがあまり当たっていないのが原油だ。

 ヘッジファンドは原油価格が上昇すると見込んで買い越しを増やしたが、相場は下落した。同じくブルームバーグが報じている。
 米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによれば、ヘッジファンドなど資産運用会社によるWTI原油の買越残高は18日、3週連続で増加、週末で+4.6%となった。だがその翌日にはアメリカの原油生産が9週連続で増加したと発表され、それを受けて原油先物価格は下落した。

 石油輸出国機構(OPEC)の中心メンバーであるサウジアラビアは、当初取り決めた6カ月の減産期間を延長、6月以降も継続することで初期段階の合意に達したと表明したが、原油価格は引き続き下げた。
 アメリカの動きのほかに、OPEC非加盟国のロシアも減産の継続に難色を示しているとされ、産油国の足並みはそろわない。

 エネルギー関連の商品に重点を置くヘッジファンド、アゲイン・キャピタル(ニューヨーク)のパートナー、ジョン・キルダフ氏は語る。
「OPEC加盟国と非加盟国による減産により原油市場の需給は均衡すると考えていたが、その期待はもろくも崩れてしまった」
 WTI原油価格は26日現在49ドル前後となっている。

 原油の価格をめぐっては昨年のOPEC加盟の産油国を中心とした減産が行われたが、減産しても速やかにシェールガスが増産を始めたことで、原油価格上昇の気配は簡単に消滅してしまった。もう産油国だけの合意で原油価格を決められる時代ではなくなった。

 サウジアラビア国王が来日するなどし、日本の市場もサウジの石油会社、サウジアラムコの上場をバックアップ、東京証券取引所の宮原幸一郎社長がサウジを訪問してアラムコの幹部と会談するなどしたが、ふたを開けてみると市場の評価は低そうだ。

 アラムコの関係者は、同社の企業価値はサウジ政府が当初見込んでいた額を少なくとも5000億ドル(約56兆円)下回るとの見通しを示している。
 産油国の現状を鑑み、市場の評価はシビアなのだ。

 石油は買いなのか売りなのか、「市場を左右する」といわれるヘッジファンドも、振り回されている。

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