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マレーシア大富豪の教える成功の条件

 マレーシアに住む日本人大富豪に話を聞いてきた。

 小西史彦氏は1944年生まれの73歳。東京薬科大学を卒業後、アジア各国を見て回った後、マレーシアに移住。日本企業が現地企業とシンガポールに設立した合弁企業に勤務するも、会社の計画自体が頓挫、わずか2カ月で解雇。その後は華僑が経営するシンガポールの商社に勤務し、営業マンとして異国の地で365日、国土の隅々まで、月に5000キロを移動しながら働く日々。


マレーシア、クアラルンプールの夜景
 マレーシアでのキャリアを順調に積み上げていくも、現地の商慣習としてやむなく約束した取引先へのリベートを、社長が横領。約束を反故にされた取引先に突き上げられ、日本への帰国を覚悟することに。

 しかし、その頃に小西氏はマレーシアで確固たる信頼を築いていた。取引先の日系企業や華僑たちに「あなたがいなければ困る」と慰留され、独立。マレーシアに商社を設立する。

 それから45年。たったひとりで立ち上げた商社は、製造業や商社、飲食業など50のグループを束ねる一大企業に成長。マレーシア証券取引所に上場し、ミャンマー、タイ、ベトナムなど7カ国に事業を展開。従業員数約8000、売上高約300億円、マレーシア人なら誰もが知る企業だ。

 マレーシアに多大な貢献をしたとして、小西氏は2007年に「タンスリ」の称号を与えられる。これはマレーシア国王から与えられる民間人として最高位の名誉称号で、英国人がナイトの称号を与えられるようなものだ。

 マレーシア国民の尊敬を集める大富豪日本人とはどのような人物か、レポートする。

すべては「好き」が動かす

 小西氏は1967年、日本政府が企画した次世代グローバルリーダー事業「世界青年の船」に乗り、東南アジア各国を回った。そのとき訪れたマレーシアに魅了され、24歳でマレーシアに移住する。その頃には結婚もし、夫婦での移住だった。小西氏は語る。


小西氏の著書
「なぜマレーシアだったのか? 先日上梓した本では『イギリスから独立したばかりでこれからの“若い国”だから可能性を感じた』とか、いろいろな理由を書いていますが、もっとも大きな理由は『マレーシアが好きだったから』です。それがすべてと言ってもいい。しかし、この『好きだ』という気持ちが大事だと思います。

“好きこそものの上手なれ”と言いますが、仕事も人生も同じ。メリットばかり考えて行動する人は、何かうまくいかないことがあると、『隣の芝生は青い』と目移りして、すべてが中途半端になりがちですね。それよりも、『好き』なことにとことん熱中するほうが成功確率は高いと思います。

 実際、私は、『こんな事業をやりたくて、ならばマレーシアで行うのが一番儲かる』と考えたわけではありません。なにせ最初に入った会社は、2カ月で解雇されてしまいましたから。マレーシアが、現在居住地にしているペナンという場所が好きで、ここに住みたい、そう決めてからは、『ではどうすれば住めるか』と考えるようになりました。そうしてやっていくうちに、事業はどんどん興っていった、そんな感じです。

 私は50年近くマレーシアで事業を行い、今現在も新たな事業を興しています。その中には私が生きているうちには日の目を見ることはなさそうな、気が遠くなるような長期計画のものもありますが、なぜ行うのかといえば、マレーシアが好きで、この先も発展していってほしい、という思いがあるからです。その思いに信頼を寄せてくれる方々がいるから、生きてこられたのだと考えています。

 私自身、特別な才能に恵まれた人間だとはまったく思いませんが、振り返ってみて、ここまでやってこられた理由として考えられるのは、徹底して『その国を好きになる』意識を持っていたことです。意識してするというよりも、私の性格からして、自然にできていたのかもしれません。

 マレーシアで大きなビジネスをしているのは華僑の人たちです。法の抜け道を突いてきたり、相手を騙して儲けてやるという人もたくさんいて、騙されたり、ひどい目にあわされたりしたこともたくさんありますが、だからといってマレーシアのことを嫌いにはならない、好きでいる、その気持ちは変わりませんでした。

 もちろん本当にひどい人とは付き合う必要はないですし、華僑にも好きな人、嫌いな人がいます。こちらが仁義を通し、信頼したことでその信頼に応えてくれた華僑とビジネスパートナーとして、良好な信頼関係を築いてきたのです。

馬鹿にした態度ではうまくいかない

 相手の国を好きになることの大切さを感じたのは、日本から来る人の中には『この人は嫌々マレーシアに来ているんだな』と伝わってくるようなタイプもいたからです。
 たとえば、マレーシアには安くておいしい屋台がたくさんあるのですが、こういう場所には足を運ぼうとしない。いわゆる“いいお店”にしかいかないんですね。「日本から来ている自分が行くようなところではない」と考えていたのかもしれません。

 それでは、本当の意味でマレーシアを堪能したとは言えませんから、実にもったいないと思うのですが、それ以上に、重要なのは、マレーシアをどこかしら下に見ている人が成功するケースをほとんど見たことがないということです。

 私たちはビジネスマンです。そして、ビジネスマンにとって、「マーケットを知る」ことは成功するために絶対に必要なことです。ところが、“嫌々マレーシアに来た人”は現地に積極的に溶け込んでいこうとしないから、マーケットがわからない。それでは、どんなに頭がよくても成功するのは無理でしょう。


マレーシアの寺院/Getty Images
 まず、現地のことを好きになること。そして、どんどん現地の人々の輪のなかに溶け込んでいくこと。これが、成功の条件ではないでしょうか。
 
 それだけではありません。場合によっては、マレーシアから放逐されてしまうような人物もいました。

 私がペナン島にあるゴルフクラブの理事をしていたころのエピソードです。

 マレーシアに赴任し、現地の人々に混じってゴルフを楽しむ日本人もたくさんいたのですが、なかにはゴルフ場で横柄に振る舞う人や、ほかの利用者の迷惑になるマナー違反をする人もいました。あるとき、ゴルフクラブの理事として、重大なルール違反をした日本人に注意をしたことがあるのですが、驚くべき返事がきました。

「なんなんだお前は。なんで、お前にそんなことを言われなければならないのか?」
 しかし、彼のルール違反に迷惑を被ったゴルフクラブの会員から苦情を受け、事実関係の確認もしていましたから、こちらとしては引き下がるわけにはいきません。理事として、ダメなものはダメと言わなければならない立場ですから当然のことです。

 そこで、私は翌日、その人の勤める会社の社長に会い、ことの経緯を説明し、ほかの利用者に迷惑をかけたことを謝罪してほしいとお願いしました。社長はその人を呼び、事実を確認しましたが、証拠が揃っているにもかかわらず、彼は頑として自分の非を認めようとしません。
その態度に社長は激高。『地域社会と余計な摩擦を起こしている奴を、ここには置いておけない。48時間以内に日本に帰れ!』と怒鳴りつけたのです。

 私もさすがに驚き『私はそんなことをお願いしているのではありません。彼に素直に認めて謝ってもらえばいいんですから』と言いましたが、社長は『こいつのしていることは、わが社の人間として恥ずかしい。これ以上ここにいてもらうわけにはいかない』と断固として譲りませんでした。当人は真っ青になって平謝りしていましたが、社長は聞く耳をもたず、本当に48時間以内に日本に帰されてしまったのです。

 してやったり、というお話をしたいのではありません。せっかくマレーシアに赴任したのだから、現地のことを好きになって、現地の人々と気持ちの良い交流を楽しめばいいのに、と思うのです。それが、豊かな人生を送る秘訣だと思うのです。

 成功するために何が必要か? よく聞かれますが、難しい話ではないと思っています。何よりも重要なのは、人を好きになることです。私は、これまで、日本人はもとより、マレー人、華僑、欧米人などさまざまな人々とビジネスをしてきました。お金持ちともそうでない人ともたくさんお付き合いをしてきました。

 そして、こう痛感しています。どこにでも素晴らしい人はたくさんいる。そういう人たちと積極的にコミュニケーションを取って、好きになること。そして、豊かな人間関係をたくさんつくることです。チャンスはそこからいくらでももたらされ、逆境に立たされたときには陰に陽に助けてもらえるのです。

『好き』になること。
 これが、成功するための第一の条件だと思うのです」


小西史彦氏
 小西氏は終始、落ち着いた語り口ながらも力強い言葉でお話をされた。
 その根底にはマレーシアに対する深い愛が感じられた。
 ほかにも、世界全体を揺るがせているテロ事件に関する独自の考察や、華僑の富裕層がパリへ行き、エルメスの本店で買い物をしようとするも中国人に対して「ソールドアウト」とだけ言われてまったく相手にされず、代わりに小西氏が希望の商品を購入した話などをお聞きした。

 ゴルフ場での出来事のような、聞いている側が溜飲を下げるような爽快な話も、いくつも出てきた。ただしご本人は自慢げでも偉ぶるでもなく、あくまでも淡々と事実を伝えることを意識されたお話しぶりで、そのたたずまいを生み出すのは、異国で何十年とやってこられた重みのようなもの。それが強く感じられるインタビューだった。

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