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2018年機械に奪われる仕事、機械を手なずける仕事

 2018年が始まった。

 現在は“変革期”今までならば存在しなかったような産業が生まれ、同時に消えていく時代になった。これから先はどのような時代かを、経済評論家の加谷珪一氏に聞いた。

機械に奪われる仕事、機械を使う仕事

「多くの人が強い関心を持っているのがAI、人工知能です。AIの発達で仕事を奪われる、仕事がなくなると考えている人が大勢います。
このあたりは、抜本的に考えを変えたほうがよいかもしれません。現代の日本は『機械に仕事を奪われる』のではなく『機械が仕事してくれなければもはや成り立たない』社会です。もはや人工知能なしにはいろいろなものが止まってしまう状態になっています。

 少子化が進む日本社会でここ最近大きな問題になっているのが、若年層、生産年齢人口の減少に伴う労働力不足です。ここ数年、人手不足が大きな問題になっています。統計を見ると、もっとも多かった時期に比べて若年層が2割ほど減少しています。
 2割が減少しただけで、社会にこれだけの人手不足が起こったわけですから、今後、人口減少が加速することで、労働力不足はもっと深刻化します。
 人手が足りないところに人工知能を導入しなければ、日本経済は回らなくなってしまいます。

 今後、人工知能が伸びていくことに伴って関連企業が伸びるのは間違いないでしょうから、人工知能関係の会社に投資するのはアリだと思います。

 人工知能は、『本質は変わらないが形は変わる』部分の『形』を担うものになります。具体的にお話ししますと、IBMという会社は100年以上の歴史を持っていますが、当たり前ですがその頃からコンピューターを扱っていたわけではありません。

 IBMの本質は『企業の事務処理』です。手回し式の統計機械から始まり、パンチカードなどに形を変えながら、コンピューターを使用する現在の形になりました。

 人工知能は『形』の部分を人間より高い能力で担っていきます。『形』はどんどん機械に任せても『本質』は人間にしか考え出せない部分です。

 任天堂は、元々は花札を製造する会社からスタートし、現在はゲーム機が主力です。
 同社の事業内容は『家庭用レジャー機器の製造・販売』とあり、時代に合わせて登場した家庭用レジャー機器がテレビゲームというわけです。

 AIはデータは分析できても、人間が必要とするものを考え出すのはやはり人間です。
 そして、ここの本質の部分が廃れないものであれば、AIに仕事を奪われることはありません。むしろAIを最大限活用できる、そう考えています」

自動車産業は、劇的な変化が起こる

「この考え方でいくと、現在変革を迫られているのが、自動車です。『人が移動する』はなくなることはありませんが、ガソリンエンジンの車は時代に合わないものになるかもしれません。

 本質は『移動する』ですから、ガソリンエンジンである必要はなく、条件さえ揃えば電気自動車に取って代わることも十分にありえます(というよりも、もともと自動車は電気自動車でしたから元に戻るだけです)。多くの人にとっては移動ができればよいので、自動運転技術も普及するでしょう。

『移動』ということで考えれば、カーシェアリングが発達してきたのも、それが一番効率的だから、と言えます。GPS、スマートフォンの技術革新が、街を運転しているクルマに乗せてもらい移動したいところまで運んでもらう、何人かで移動するというようなライドシェアを可能にしています。

 クルマを所有するとなると、そもそもの購入金額に加えて維持管理費も負担する必要があります。しかしライドシェアなら1人1台クルマを持つ必要はなく、極めて安価にクルマを利用できます。

 さらに言えば、移動がタダになる可能性すらあります。ライドシェアで移動した先にコンビニがあり、そこで何かを買えば移動費は無料、移動中に表示される広告を見れば無料といった形も、技術的には充分可能でしょう。
 そしてウェブサービスに『基本は無料で、有料にすると広告を消せるなどプラスのサービス』のものがあるように『ライドシェアによる移動は基本は無料、早く移動したい、快適に乗りたいという場合は費用を支払う』といった形も作れるかもしれません。

 コンパクトに賢く生活するのは楽になるかもしれません」

中古市場が、産業を発展させる

「コンパクトになる分、かつてのような経済成長に必要だった、大規模な設備投資は不要になるでしょう。それでは経済成長が止まってしまうようにも思えますが、果たして人類の歩みは、ここで止まってしまうのかというと、そんなことはないと私は考えます。かつては設備のために回っていたお金は、おそらく別のところに投資されることになるでしょう。
 今まで回っていなかったところにお金が回る結果、新しい商品やサービスが生まれたりするかもしれません。

 消費の流れも同様で、今後大きく変わる可能性を秘めています。シェアリングエコノミーにより人がものを必要としなくなり、中古品の流通が盛んになると、ものは売れなくなる、消費は冷え込む、経済成長にも悪影響と考えている人が多くいます。

 私はむしろ逆と考えています。たとえば、日本の住宅市場の8~9割は新築住宅で、中古住宅は1割程度なのに対し、アメリカは中古住宅の割合が圧倒的です。
 クルマも同様、日本は新車が大半で、中古車は一部なのに対し、アメリカは中古車市場が活発です。

 アメリカと日本では、どちらが住宅産業は活発でしょうか。圧倒的にアメリカです。クルマも同様です。

 モノは安い価格で手軽に売買できるほうが、産業は活発になるのです。安く買った人は安く買えた分、別のところにお金を落とすので、お金は回ります。安いものを入手し慣れ親しんだ人が、お金ができた、生活に余裕ができたときに新品を購入することで新品も売れていきます。

 日本はアメリカに比べて、新品信仰が強いですが、古着などの市場は昔よりも伸びていて、今の若い世代は自然にメルカリを使いこなすようになってきています。『中古品を安く買う、要らなくなったら売る』を行う人が、この先増えていくことでしょう」

「客もスタッフもいない飲食店」もできていく

「このほかに起こっている新たな潮流というと、外食産業の変化です。アメリカではデリバリーが発達し、多くの家庭はデリバリーを頼んで家でネットフリックスなどで映画やドラマを見るスタイルが定着してきています。

 日本もそのような映像配信サービスが定着してきたほか、デリバリーの形も変わってきました。これまでは出前というと、街の中華料理店やそば屋など、出前の設備と人員を備えたところのみができましたが、現在はUBER EATSや楽びんなど、お店は商品を用意するだけでそれらの会社が用意したデリバリースタッフが運んでくれる環境が整いました。

 そのような形が発達したならば、単純な『食べる場所』としての飲食店は淘汰されていくでしょう。
 生き残っていくのは、『行く理由のある店』『わざわざ行きたいと思う店』です。それは何なのか? それをしっかり作れる店が勝ちます。

 お店のあり方も大きく変わります。このような流れにより、『おいしくもないがほかに店もなかったから』と選ばれていたところは消え、本当に客の求めるものを提供している店舗が伸びていくことになるでしょう。

 また、外食は店舗の大きさ=売上の上限でしたが、デリバリーは売るものさえあればお店のキャパシティを気にせず出せるので、よいお店は際限なく伸びていける可能性を秘めています。これらの潮流は、外食産業の構造を根本から変えてしまうかもしれません。
『注文は出前のみ受付、デリバリーサービスで運ぶので配達員もいない、店舗は必要ないのでマンションの一画で』といった、もはや飲食店と言えるのかわからないお店もできてくることも考えられます。

 これから10年は、今までの価値観や、勝ちパターンとされていたものがどんどん崩れていく時代になるでしょう。
 従来型ビジネスに縛られている人にとっては厳しい時代かもしれませんが、技術の進歩により、お金をかけずに新しいことにチャレンジできる環境が整っています。その点では、ビジネスチャンスにあふれた時代になったと言えます。前向きにとらえることが大切です」

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 加谷 珪一(かや・けいいち)
 経済評論家
 1969年仙台市生まれ。東北大学工学部原子核工学科卒業後、日経BP社に記者として入社。
 野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当。独立後は、中央省庁や政府系金融機関など対するコンサルティング業務に従事。現在は、経済、金融、ビジネス、ITなど多方面の分野で執筆活動を行っている。

 著書に『ポスト・アベノミクス時代の新しいお金の増やし方』(ビジネス社)、『新富裕層の研究-日本経済を変えるあらたな仕組み』(祥伝社新書)、『お金持ちはなぜ「教養」を必死に学ぶのか』(朝日新聞出版)、『お金持ちの教科書』(CCCメディアハウス)、『教養として身につけたい戦争と経済の本質』(総合法令出版)などがある。
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