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著名ヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエーツCIOの投資家へのアドバイスが話題に

 FANG銘柄を中心に堅調な推移だった米国株式市場。
 AmazonやApple、NetFlixなどの上昇に相場は湧いていたが、10月は冷や水を浴びせられた個人投資家も多かったようだ。



アマゾン株価


 そんな折、世界最大級のヘッジファンド運用会社であるBridgewater Associates(ブリッジウォーター・アソシエーツ)のCIO(共同最高投資責任者) ボブ・プリンス氏が投資家に対して発したメッセージが話題を呼んでいる。

 同社旗艦ファンドは「最少リスクで最大の利回りを取ることを目指すこと」を標榜しており、リーマンショック時もプラスリターンを記録した。「原理」を重視し、幅広い投資対象への分散と低レバレッジでの運用を貫く姿勢から、個人投資家にもファンが多い。
創設者のレイ・ダリオ氏の発言は下記記事でも紹介した通りである。

・15兆円、世界最大のヘッジファンドを率いるレイ・ダリオ【ヘッジファンドマネジャー列伝⑦】


 さて、リーマンショック時も株式との相関性を抑え、安定的な運用を実現してきた世界最大のヘッジファンドは現在のマーケットをどのように見ているのだろうか。

 結論から言えば、彼らは米欧の景気サイクルは終盤へと近づいており、「東を向く(アジアへの投資を拡大す)」べきであると考えているようである。

 今年2月の下落時にも「底固い経済が株価や資産価値の下落をともなうのは珍しいことではない」と述べており、「好況であれば、株価が下がるとは夢にも思わない投資家は、市場がどう動くか分かっていない」と個人投資家には耳の痛くなるような指摘をしている。

 当時より同社はマーケットが「事業および短期的な債務サイクルの末期」に差し掛かっており、ポピュリズムの台頭や先進国の生産性の低下などを総合的に勘案し、大きな空売りのポジションを保有していた。

 ただ、その時から一貫しているのは「2018年に下落が起きる」という発言をせず、「2019~2020年に主眼を置いている」という物言いをしている点だ。同時に、リーマンショック時に見られたような脆弱性は見られないとも語っている。あくまでも「平凡な内容」に向かうと言う程度の物言いにとどめている。

 これらは金利の上昇と減税政策の影響から、今までのような「米国一強」ではなくなることを予見しての発言と読みとれる。具体的な時期としては減税効果の薄れる1年半後の減速を見込んでいるようで、「2019~2020年に主眼を置いている」との発言もここから出てきているのだろう。

 上述のような流れの中で、今回の「東を向く(アジアへの投資を拡大す)」べき、というアドバイスである。

 同社は特にASEAN諸国が中国企業からの労働録の外注先として大きく発展していくことを見込んでおり、5年後には日本経済の規模を超え、10年後には欧州の経済規模に迫るものと予想している。豊富な生産年齢人口を背景にした同エリアの経済成長にベットするべき、と考えているようだ。

 実際のところ、2008年~2017年の10年間で米国株式は平均8.6%のリターン、先進国が年率5.7%の平均リターンだったのに対して日本を除くアジア地域は年率4.2%程に留まっている。過度に行き過ぎたドル高が新興国各国を苦しめた側面もあったが、同社はそういったトレンドがこれから変わっていくとみているのだろう。

 米欧株式市場が堅調な推移を見せると、ついついそこに資金を集中させたくなってしまうものだが、レイ・ダリオら著名ヘッジファンドンマネージャーはそこに警鐘を鳴らしている。

 個人投資家には現状あまり人気のない新興国市場に目を配ることも、2年後3年後のリターン獲得には重要な要素と言えるのかもしれない。



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