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大手ヘッジファンド、ソニー株へ投資再開

  ロイターの報道によると著名投資家ダニエル・ローブ氏率いる大手アクティビスト・ヘッジファンド、サード・ポイントがソニー株への投資を再開した。これにより4月9日のソニーの株価は一時5156円と前日比7.3%高まで上昇した。

 6年前にもサード・ポイントはソニーに対して、事業が複雑なため企業価値が適切に株価に反映されないコングロマリットディスカウントが起こっていることを指摘し、株主に対して適切な還元を行うため事業の整理を迫ったが、他の株主の支持を受けられず失敗に終わっている。

 今回も事業としてはソニーが持つ映画部門が注目を浴びそうだ。

 ディズニーが3月20日に21世紀FOXの買収を完了し、4月11日動画配信サービス「ディズニー・プラス」を発表したタイミングで、サード・ポイントが改めてソニーへの改革を求めることとなる。

 これによりディズニーやネットフリックス、アマゾンなどにより状況が一変している映画産業に対して、M&Aの期待が再び高まるとみられる。ディズニーは21世紀FOXを約7.9兆円で買収したばかりのため、買収することは困難であると思われるが、スパイダーマンや007シリーズ等人気作の行く末は今後も白熱することだろう。

 サード・ポイントのようなアクティビスト・ヘッジファンドは、上場企業の株式を取得して、株主として企業に対してさまざまな事業改善の施策を要求して、企業価値の向上、株価の上昇を狙うヘッジファンドである。

 アクティビスト・ヘッジファンドの提案は、以前は短期的な企業価値の向上にしかつながらない提案が多く、ほかの株主にも批判されることが多かった。しかし近年は多くの株主にとっても建設的な要求をすることにより、世論の見方をつけながら改革を要求することが増えてきている。個人では行使が難しい株主権の行使をすることは、近年重視されているコーポレート・ガバナンスの点からも追い風となっている。

 また、アクティビスト・ヘッジファンドと似たの形態のヘッジファンドとして、バイアウト・ヘッジファンドがある。バイアウト・ヘッジファンドは、対象企業の株式の過半数を取得して企業の支配権を獲得するのに対して、アクティビスト・ヘッジファンドは、対象企業の数パーセントから多くても数十パーセントの株式取得にとどめるケースが一般的である。

 株式取得の割合に応じて経営絵の関与方法も異なる。バイアウト・ヘッジファンドは、直接経営に手を出す戦略とるのに対して、アクティビスト・ヘッジファンドは、あくまでも経営陣に働きかけて企業価値の増大を図る戦略をとる、といった基本的な違いがある。

 日本市場は銀行や取引先との持ち合い株により、株主の議決権は適切に行使されないことが常態化している。しかし近年持ち合い株の解消や投資信託などの運用会社も適切な株主権の行使について明言するようになってきており、その絶対性は弱まってきている。

 今後サード・ポイントはソニーとのやり取りを公開しながら、どれだけほかの株主の賛同を得られるような提案をするかがポイントとなる。今後しばらくはメディアを騒がせることになりそうだ。

 サード・ポイント:著名投資家ダニエル・ローブ氏率いるニューヨーク拠点の大手アクティビストファンド。日本においてはソニーに対して映画・娯楽部門の分離を求めるなどして注目を集めたほか、IHI・ソフトバンク株・ファナック株などでも株主として事業改革を求めたことにより知られている。


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