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急落相場で1人勝ち?日本と海外のファンド分析

「人の行く裏に道あり花の山」

 株式投資の格言で、1番といっていいほど有名な格言である。人並みにやっていたのでは、人並みの結果しか得られないという意味だ。

 新型コロナウイルスが世界を席巻している。今年に入り、特に3月は多くの投資家にとって受難の月になった。月間でNYダウ平均は3492ドル安、日経平均は2225円安。この暴落相場で凄まじいパフォーマンスを残した、知る人ぞ知るヘッジファンドがある。日本の投資信託と比較してご紹介する。少しでも「裏の道」を探す助けになれば幸いだ。

3月コロナショック相場の振り返り


 まずは簡単に3月の相場を振り返る。新型コロナウイルスの感染が中国から欧米へと拡がったことで世界的な景気後退への警戒感が急騰。更にOPEC会合において協調減産に向けた協議が決裂、原油が急落したことで株式や債券、金まで全面的に売られる展開となった。FRBが政策金利を0%まで引き下げ、ECBが7,500億ユーロの量的緩和を発表するなど世界全体で対策を打ち出しはしたが、経済活動の停滞と雇用情勢の急激な悪化により、先は見通せない状態だ。米議会予算局は、4-6月期の失業率は10%を超え、実質GDPは前期比年率で28%減少するとの見通しを示している。

日本の投資信託の運用状況



 まず、国内の投資信託から見ていく。モーニングスター社のランキングをもとに、純資産残高の上位5銘柄の月間騰落率を以下で比較してみた。騰落率は3月2日から31日まで、純資産は4月10日時点のデータを用いている。




 いずれのファンドもこの1か月でプラスのリターンを出すことはできなかった。それも当然で、投資対象の違いはあるがこれらのファンドは全て「買い持ち」が基本戦術となっている。せっかく複数銘柄に資産を分散させていても、幅広い資産が下落した3月では結果としてほとんど効果がなかったと言わざるを得ないだろう。

 では、日本でパフォーマンスのよかった投資信託は何か。こちらもモーニングスター社のランキングから上位5銘柄を調べた。



 こちらは、傾向がはっきりしている。2-5位の中身はほとんど同じであり、「日経平均と逆方向に動く」ファンドだ。レバレッジの大きさによるばらつきはあるが、3月は日経平均が大きく下落したためこれらのファンドの成績は良かった。1位のテトラ・エクイティに関しては、米国S&P指数の先物を対象にしている。運用開始から5か月しか経過していないためデータ不足であるが、ある程度変動相場に強いファンドのようだ。
 
 これらのファンドの共通点は、取引方法に「売り」を取り入れているということだ。売りとは実際には保有しない資産を売却する取引方法で、将来的にその資産の価格が下がれば低い価格で買い戻せることになる。要は、「資産の価格が下がったら利益になる」取引方法である。

海外のヘッジファンドの運用状況


 一方海外のヘッジファンドの成績はどうか。2008年のリーマンショック時にもプラスのリターンを見せつけ、現在の資産規模はおよそ17兆円という世界最大規模の「ブリッジ・ウォーター」を率いるレイ・ダリオ氏は、3月18日に顧客に謝罪メッセージを送った。ファンドの運用が年初から約20%悪化したためだ。

 レイ・ダリオ氏はフィナンシャルタイムズのインタビューに対して「我々は、コロナウイルスに関して適切な知見を持ち合わせていなかったため、コロナウイルスに対する特別なポジションを構築しなかった。いま振り返ってみると、我々はすべてのリスクをカットすべきだった」と述べている。

 このように有名ヘッジファンドも難しい運用を強いられている訳だが、そんな中安定的なな成績を残し再び注目を集めているファンドがある。まずは3月のチャートをご覧いただきたい。




 1か月で113ドルから127ドルまで上昇している。3月のみで約10%のリターンだ。ファンド名は「Man AHL Diversified」である。イギリスの大手ヘッジファンド会社が運用する先物ヘッジファンドで、1996年の運用開始以降、多くの危機をものともせずに値上がりを続けている。年平均リターン11.16%、トータルではなんと1,171%のリターンを出している。






World stocks: MSCI World Net Total Return Index hedged to USD.
Hedge fund index: HFRI Fund Weighted Composite Index

 なぜ下落相場でも利益を出せるのか。それは、「トレンドフォロー」という運用手法をとっているからだ。トレンドフォローとは、「上がっているものを買い、下がっているものを売る」手法である。今回のような下落相場では、特に効果を発揮する。運用会社のMan Ahlのレポートによると、3月はブラジルレアルや豪ドルの為替、世界株式、コモディティ(原油、貴金属など)でショートポジションをとっていたことが値上がりに寄与したようだ。

 「どんな相場でも絶対収益を追求する」ことがヘッジファンドの共通目標である。国内の証券会社では取り扱いがなく購入できないが、ヘッジファンドの特徴や投資方法については、より詳しく掲載しているヘッジファンドのすべて 解説~運用成績20%超高利回り商品の購入方法までをご参照されたい。

まとめ


「みんなが買っているから」「人気があるから」こう言われるとつい財布のヒモが緩くなってしまうという方も多いのではないだろうか。筆者もその1人である。家電や車など、モノとして使える商品であればそれで良いだろう。だが投資で同じことをした場合、良くない結果になる可能性も十分にあるということは認識していただきたいと思う。今回ご紹介したヘッジファンド以外にも様々な選択肢がある。今後も、色々と紹介していくつもりだ。


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