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暴落時の今だからこそ考えたい「コモディティ投資」

 コロナショックにより、資産に大きく打撃を受けている方が多いのではないだろうか。株式や債券が年初来大幅なマイナスになっている中、4月13日に金地金の店頭販売価格が40年ぶりに最高値を更新した。税込みで1グラム6513円と、1980年1月に付けた最高値1グラム6495円を超えたのだ。新型コロナウイルスの感染拡大を背景に、安全資産である金の相場が上昇している。今回は、金や小麦などの実物資産に投資する「コモディティ投資」について見ていく。

コモディティ投資とは


 コモディティとは「商品」の意味であり、金やプラチナ、原油、小麦などの実物資産に対して投資を行なうことをコモディティ投資という。投資した商品の価格変動が損益に直結する、シンプルな仕組みである。コモディティを対象とした投資信託やETFにより、個人でも少額からコモディティ投資ができる。実際のパフォーマンスは、以下のようになっている。14年間の金、原油、小麦、アメリカS&P500指数の比較チャートだ。14年前を100とし、パフォーマンスを比較した。


※Investing.comより筆者作成

 もし14年前に100万円投資していたら、今の評価額は以下のようになる。金は、S&P500の1.5倍も値上がりしているのだ。(為替の影響は考慮しない)



 チャートからは、株式に比べて変動が大きいということがわかるだろう。この理由としては、マーケットが小さいことが挙げられる。コモディティ市場最大の商品は原油だが、S&P500指数と比較するとおよそ3割程度しか売買されてない。また、需要と供給のバランスも動きやすい。例えば原油でOPECの増産・減産、穀物では自然災害、金属では鉱山労働者のストライキなど、世界中の情勢によって大きく影響を受ける。

コモディティ投資のメリットとデメリット


 では、コモディティ投資を行うことでどのようなメリット・デメリットがあるのか見ていこう。

①メリット

 今回の金の値上がりからわかるように、コモディティは株式や債券などと相関が低い。自分のポートフォリオに加えることで、手軽に分散投資が出来る。参考まで、各資産の相関係数を掲載している。数字が0に近いほど分散効果が高いことを意味する。


※Long-Term Capital Market Assumptions(JP Morgan)より筆者作成

 また、インフレ対策になるというメリットもある。一般的には、インフレが起きると中央銀行はインフレを抑えよるため金利を上げ、株式や債券のパフォーマンスは悪化する。しかし貨幣の価値が下がりモノの値段が吊り上がっていくため、商品で運用するコモディティは逆に上昇するのだ。
 実際に2008年のリーマンショック時には、株式市場の落ち込みに対してコモディティ相場の戻りは早かった。同時期に起こった食糧危機で穀物価格は大幅に上昇しており、小麦についてはほとんど下落していない。また、リーマンショック後に米国は大規模な金融緩和政策を実施。ドルの価値が下がる中、金価格は大幅に上昇した。

②デメリット

 デメリットとしては、インカムゲインが狙えない点だ。株式や他の投資信託で言う配当金が無いため、定期的なインカムが欲しい方には向いていないと言える。あとは、先に記載したように変動が大きい点だろう。実際の運用方法は、2つに別れる。キャピタルゲインを狙い、短期での売買で勝負する投資家と、リスクヘッジのため長期で保有し続ける投資家だ。筆者の個人的な意見としては、長期投資を勧めたい。短期ではリスクが高いことに加え、将来絶対に役に立つと思うからだ。

今後の見通し


 まず商品の需要については、世界経済の成長、特に新興国中心に人口が増え、それに伴い消費の拡大が見込まれるため、中長期的なコモディティの需要は増えることが予想できる。技術の進歩に伴う需要も出てくる。例として電気自動車(EV)では、そのバッテリーは銅・ニッケル・アルミニウム等多くの金属が使われている。Bloomberg の予測では、EV向け金属の需要は2022年に100万トンを突破し、2030年には700万トンと現在の7倍以上に増加するとしている。一時的に減退することはあっても、長期的に需要が増えていくのは間違いないだろう。

 次に、インフレリスクについてだ。新型コロナウイルスの影響により経済活動は停止。デフレになるという意見もある。しかし、そんなに簡単な話でもない。ウイルス封じ込めによりサプライチェーンは分断、工場の閉鎖などにより供給も減っている。マスクの価格が高騰しているが、同じ現象が広がる可能性もあるということだ。また、各国が次々と金融政策、財政政策を打ち出している。アメリカまでもゼロ金利政策だ。世界中にマネーは溢れかえっているため、コロナウイルスが一服したタイミングで急激にマーケットに還流するだろう。壮絶なバブル相場が顕現する可能性もあるのだ。

 今年4月1日、トランプ大統領は2兆ドル規模の公共事業を進める考えを示した。日本でも先日国民に一律10万円を給付する方針だと発表があったが、こうした現金給付の場合、かなりの額が貯金に回ってしまい実際に経済に及ぼす効果はかなり薄まる。公共事業は間違いなく全額投資されることに加え、「乗数効果」(※1)もある。経済対策のため、多くの国が今後発表してくるだろう。公共事業が起こると、建物や道路を作るために化石燃料や各種金属資源が大量に必要になり、コモディティの需要が増大する。新興国は継続的にインフラ投資を行っているが、先進国も公共事業を拡大させることでコモディティはさらなる値上がりが期待できるだろう。

※1 乗数効果…政府の投資により国民所得が増え、消費が増え、さらに国民所得が増え、消費が増えるという効果のこと。投資した金額以上の経済効果が期待できる。

コモディティ投資を利用した資産配分


 ここで、コモディティ投資を利用している有名なポートフォリオを1つご紹介する。世界最大のヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエイツ(Bridgewater Associates)の創業者であり、「ヘッジファンドの帝王」の異名もあるレイ・ダリオ氏が個人投資家に推奨している「オールシーズンポートフォリオ」だ。ここでは金とそれ以外のコモディティを区別している。ダリオ氏は経済には4つの「季節」があり、このポートフォリオならどの季節でもリターンを出すことができるとしている。世界株式30%、米国長期債40%、中期債15%、金7.5%、商品7.5%の比率である。4つの季節と、それぞれの時期に強いとしている資産は以下の通りである。

①経済成長期…株式・社債・金・コモディティ
②経済停滞期…長期米国債・物価連動債
③インフレ期…金・コモディティ・物価連動債
④デフレ期 …長期米国債

 世界情勢を見ながらその時の季節を見極め、自分で資産配分を変えていくことは非常に難しい。基本ポートフォリオとして、参考にしていただけたら幸いだ。





実際に投資するには


では、どうしたらコモディティに投資できるか。インゴットを買う・純金積み立てなど現物を買う方法もあるが、ここでは金融商品を紹介する。以下に簡単に特徴をまとめた。




①ETF

 個別株式のように売買可能。金先物、原油先物など、様々な指数に連動する商品がある。円建てや米ドル建てで投資できる。

② 投資信託

 証券会社によって取扱商品が異なる。資産をエネルギー、農業、金属などに配分し、比率を自分で変更する必要がない。

③ヘッジファンド

 日本の証券会社では直接投資できず、資料は基本的に英語。日本円での投資はできず情報は得にくいが、パフォーマンスの良いものが多い。
 ETFと投資信託については、取扱商品に差はあるがどこの証券会社でも投資可能だ。手数料の安い楽天証券やSBI証券といったネット証券が良いだろう。ヘッジファンドについては、【「ヘッジファンド」のすべて 富裕層の投資の解説~運用成績10%超高利回り商品の購入方法まで 2019年最新版】に詳しく解説している。関連記事にリンクを載せているため、ご参照いただきたい。


まとめ


 インフレに強く、株式と連動しないコモディティ投資。公共事業による需要増加も見込める。コロナウイルスで市場が動揺している今こそ、エントリーのチャンスではないだろうか。

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