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ヘッジファンドの投資戦略

ベンチマークを上回る運用を目標にする日本の投資信託と異なり、下落相場でも絶対収益を追求するヘッジファンド。コロナショックをものともせず値上がりを続けているファンドも多い。本記事では、ヘッジファンドのパフォーマンスの源泉である投資戦略について紹介する。


投資戦略の分類


具体的な説明に進む前に、まずヘッジファンドの戦略を大まかに分類する。

ディレクショナル型:市場の動きを予測し収益を狙う戦略
アービトラージ型:金利差や価格差を利用して収益源とする戦略

となり、例としては以下のような戦略が挙げられる。それぞれ具体的に見ていこう。





ディレクショナル型


①株式ロング・ショート戦略

世界最初のヘッジファンドが用いた手法で、最も歴史が長く資産規模も最大の運用手法。
「割安の株式を買い(ロング)、割高な株式を売る(ショート)」戦略だ。投資信託で一般的な買いのみの運用の場合業種を分散させリスクヘッジを行うが、株式ロング・ショート戦略では同じ業種の中でも買いと売りをセットで投資することで、「業種全体のリスク」を抑えることができる。

・1949年にアルフレッド・ジョーンズが世界で初めて取り入れ、ヘッジファンド誕生時から息長く続いている。ジョーンズは成果報酬や運用者出資の仕組みも同時に持ち込み、ヘッジファンドの基礎ともいえる戦略だ。少人数で運営ができることから、参入しやすい戦略でもある。

②グローバル・マクロ戦略

経済指標などからマクロ経済の動向を予測し、株式から債券・コモディティまであらゆる市場・商品を対象にロング・ショートを織り交ぜて投資する戦略。パフォーマンスの要因がわかりやすく、投資対象も多岐に渡るため大型のヘッジファンドに多い手法といえる。

・「イングランド銀行を破産させた男」という異名を持つジョージ・ソロスが用いた戦略。一夜にして1,000億円の利益を出した、1990年代にウォール街の所得番付で3年連続1位になったなど、数多くの伝説を持つ。また、世界最大のヘッジファンドBridgewater のレイ・ダリオ氏の旗艦ファンドもこの戦略だ。

③マネージド・フューチャーズ戦略

投資対象はあらゆる資産の先物で、レバレッジをかけてリスクを高めた戦略。商品の割安・割高は機械が判断するシステムトレードをベースにしている。最近のヘッジファンドに多く見られる手法だ。

・2002年以降に急速に残高を拡大した。Man社のトレンドフォロー型運用を行うファンドなどが代表例だ。


アービトラージ型


①株式マーケット・ニュートラル戦略

リスクを「市場リスク」と「個別のリスク」に分解し、市場リスクを排除することで個別のリスクのみ負うことでリターンを狙う戦略。相場の上下に関係なく比較的安定した運用ができる点が特徴だ。

・市場のリスクを排除することで下落しにくいが、市場全体が値上がりする場面で少し物足りないパフォーマンスになる。

②イベントドリブン戦略

個別企業の重要イベント(買収・合併・指数組み入れなど)に着目し、イベントが発生する際に生まれる価格の割安・割高を判断しリターンを得る戦略。例えば、買収発表などイベントの発生直後は価格変動が大きく、価格の歪みも生じやすい。適正水準に戻る前に割高な株式を売り、割安な株式を買うことで利益を得る。

・買収など、イベントが中止になってしまった場合は狙ったリターンが得られなくなるのが弱点。

③ディストレスト戦略

経営危機に瀕している企業の株式や債券に投資し、事業再生に伴う価格上昇からリターンを得る方法。広い意味では、イベント・ドリブン戦略に含まれる。経営に参画することもあるため幅広い知識や経験が求められる。短期間でリターンを狙うことは難しいため、ロックアップ期間が設けられることも多い。

・流動性が低いため、少額の投資がしにくいのが難点か。

④転換社債アービトラージ戦略


転換社債とは、一定価格で株式と交換できる権利の付いた社債のこと。割安になった転換社債を買い、現物株式を売るのが転換社債アービトラージ戦略だ。転換社債はオプションの側面も持つため、株価の値動きが荒くなると価格が上がるという点も特徴だ。転換社債の発行額は低下しており、2018年のデータでは世界の市場規模は約44兆円だった。

・この手法を考案したケネス・グリフィンは18歳にハーバード大学の寮でヘッジファンドを創業。運用資産は約300憶ドルで、米フォーブズ誌によると個人金融資産は100億ドル近くに上るようだ。

⑤債券リラティブバリュー戦略

割安な債券を買い、割高な債券を売ることでリターンを狙う戦略。信用格差やイールドカーブを利用することになる。債券市場は株式市場に比べ機関投資家が多く、価格の歪みは小さい。そのため、レバレッジ比率は高くなっている。


その他の投資戦略


①マルチストラテジー戦略

上で紹介したような、複数のヘッジファンド投資戦略を組み合わる手法だ。戦略を分散することで、さらなるリスクヘッジを行うことが可能だ。社内で部門をわけて管理するほか、外部に運用を委託するケースもある。
・複数の戦略を採用することから、新規参入は難しい。大手にのみ許された戦略だ。

②クオンタメンタル戦略

最新のヘッジファンドの投資戦略がクオンタメンタル戦略だ。ファンダメンタル投資(経済指標などの基礎的な要因を分析し人間が投資判断)とクオンツ投資(コンピュータを用いて大量のデータを分析、機械的に運用)をミックスした戦略のことをいう。2つの戦略は長年水と油の関係だったこともあり、まだ歴史が浅い。AIの分析力に人間の手が加わる手法であり、今後の拡大が予想される。


戦略別の資産残高


eVestmentのレポートで、2月末時点のヘッジファンド戦略別残高が公表された。ランキングは、以下の通りである。
今回のコロナショックにより、3月までのヘッジファンドはリーマンショック以来の資金流出に見舞われた。だが、下落したファンドばかりではない。今の値動きをしっかり追うことで、危機に対応できるファンド・戦略を見つけることもできる。継続して情報発信していく。


※eVestment社より筆者作成


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