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コロナショック下のヘッジファンド

 新型コロナウイルスは日本での感染者数も落ち着き始め、各国で経済活動再開の動きが見られるようになっている。日経平均など株式指数の高値まではまだ遠いため、評価損を抱えている方も多いのではないだろうか。世界的に大打撃を受けたコロナショックによって、3月までの第一四半期でヘッジファンドはどんな結果を残したか。ヘッジファンドのパフォーマンスと今後についてみていく。


3月までのヘッジファンド


 プレキン・ヘッジファンド・インデックスは、3月末までの第一四半期で10.46%の下落となり、2019年の10.97%の上昇を吐き出す結果となった。しかしS&P500指数と比較すると、市場平均の半分程度の下落に抑えられている格好だ。


※Preqin『COVID-19'S IMPACT ON ALTERNATIVE ASSETS』より作成

 タイプ別にみると、特に厳しい結果となった戦略は株式重視戦略とロング型戦略の2つとなった。世界株式市場の暴落に耐えきれず、ロング型戦略ファンドは22.5%と記録的な損失を計上してしまった。
 一方、唯一プラスのパフォーマンスを上げたのがCTA戦略だった。他資産との相関が低いことが特徴で、四半期で+2.15%と結果を残した。以前Man社のファンドを紹介したが、トレンドのある相場に強いということが改めて明らかになった。また、下落率が1番低かったのはグローバル・マクロ戦略であった。損失はマイナス3.35%にとどまっている。

 また、ファンドの設立も低調な結果となった。第一四半期で新規設定されたヘッジファンドは87ファンドにとどまり、昨年同時期の235ファンドに対しおよそ3分の1に減少している。戦略でみると株式ロング・ショート戦略が減少し、グローバル・マクロ戦略が増加した。


4月以降のヘッジファンドの見通し


 コロナショックによる下落をある程度抑えられていること、特にプラスのリターンを出しているファンドもあることから、ヘッジファンドをポートフォリオに組み入れる必要性は高く、資産の保全において重要な役割を果たすと予想される。

 では今の相場状況を踏まえて、どんな戦略のヘッジファンドに投資するべきだろうか?運用会社のフランクリン・テンプルトンがレポート『Hedge Fund Strategy Outlook』で調査した内容をご紹介する。5段階評価となっている(5が最高評価)。あくまで短期的な予想となっている。ヘッジファンドの投資戦略については、こちらの記事をご確認いただきたい。


※Franklin Templeton Investments『Hedge Fund Strategy Outlook Q2 2020』から作成

①株式ロング・ショート戦略…3

 現在は、株式ロング・ショート戦略には追い風の状況だ。業績の悪化と不況が懸念され、株式は売られすぎの水準まで来ている。ボラティリティは高水準にあるため、収益機会は多い。リスク水準を一時的に落としており、機動的な銘柄選択がカギになりそうだ。

②レラティブ・バリュー戦略…4

ボラティリティの急上昇により、株式と他資産の相関性はかなり高くなっている。例えば転換社債などは売り圧力にさらされかなり安い水準になってきているようだ。市場の変動が落ち着くまでは、絶好の買い機会と言えそうだ。

③イベント・ドリブン戦略…2

コロナショックの影響は甚大で、M&Aの中止・延期が相次いでいる。欧州では17年ぶりの低水準で推移しているようだ。こういったイベントを利用して収益を得ているイベント・ドリブン戦略は、コロナの影響が一服するまでしばらく苦しい状況が続くとみられる。

④クレジット戦略…2

クレジットに関しては不透明感が強く、苦戦を強いられそうだ。ボラティリティは大きく上昇したため投資妙味はあるが業績への影響は甚大で、企業のデフォルトなど見通せない部分が多い。ディストレス戦略などは特に注意が必要だ。ビジネスモデル・資本構造の変化を予測できるファンドであれば、リターンを上げられるだろう。

⑤グローバル・マクロ戦略…4

幅広い資産に投資するマクロ戦略にとって、今の相場は歓迎すべき状況だ。ボラティリティの上昇で魅力的な投資対象は多く、各国の金融政策などによる値動きを利用し大胆に資金シフトを行うことでリターンが期待できる。

⑥コモディティ戦略…3

石油や金などのコモディティへの投資戦略の評価は、中立となった。コロナショックにより需要は大幅に減ったがサウジアラビアが減産を開始しており、夏のドライブシーズンに向けて需要が回復する予測もされている。公共投資など行われれば一段の上昇も期待できるが、時期が読めないことから短期的には不安定に動くだろう。


おわりに


 第一四半期は戦略ごとでプラスのリターンとなったのはCTA戦略のみとなり、ヘッジファンドにとって苦い結果となった。ただCTA戦略は相場の転換期にマイナスになりやすく、4月に入り下落に一服の傾向もみられることから、第二四半期はまた違った結果になるだろう。ボラティリティが高い時にヘッジファンドがどう動くか確認することで、今後の資産運用の一助になれば幸いだ。


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