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美術品は投資に向くか

マルグリット
マルグリット
古美術商の家庭に育つ。オークションハウスのクリスティーズ、サザビーズを経て家業に戻る。シュールレアリズムから入った美術の興味だがここ何年かは現代アートに。


美術
 前回のコラムでは美術品と経済の関係性について述べ、美術品の価格というのは経済動向に密接に関連しているということを書いた。では、今回は美術品に関わる投資の問題について考察してみる。

 景気が良くなってくると必ず出てくるのが美術品絡みの投資の話である。バブル時は投資目的に印象派絵画が海外のオークション会社などを通じ大量に買われ、リーマンショック以前の一部のプチバブルだった時代には現代アートが今までにない活況を見せていた。それまでアートマーケットというものが存在していなかった日本では(閉鎖的な状況の中で業者間で売買される市場はあったのだが)、今の時代を生きこれから新しい美術を開拓していくだろう若手作家の市場が活況になる事は、現代美術市場だけでなく新たな美術史をつくっていくということにおいても重要な出来事だったと思う。

 以前は美術品の価格はその作家が他界してから価格が高騰するという事が定説だったが、昨今のアートバブルではたった数年で倍、または数十倍、数百倍になった作家も出てきていた。だから現代作家を扱う一部のギャラリーでは購入する際、購入後何年間はオークションハウスなどの売却に出さないと署名させるギャラリーもあった。現代アートを主体としたアートファンドなども出てきて、他のファンド同様出資者を募り値上がりが予想される美術品を購入し値上がりしたところで売却し利益を得るという仕組みだ。

 アートファンドに関わらずやはりこの時も一部の人々の間で美術品が投機目的で買われていたケースもあった。確かに景気が良くなるに従い、美術品の価格も不動産や株債券同様正比例するのだが、はたして美術品売買というのは投資に向いているのだろうか。

 画商やオークションハウスなどで作品を購入し、諸々の事情があり所有していた作品を売却し結果的に購入した時点の価格よりも高値で売ることが出来利益を得ることはあっても、美術品を最初から投資目的で購入し大きく利益を受けたという話は私の周りではあまり聞いたことがない。昨今の現代アートバブルの時でも、作品を投資目的で購入して短期で利益をあげたという人はほんの一部だと思う。

 海外のオークションハウスなどのニュースで美術作品が高値で落札されたケースがよくニュースに取り上げられたりすることもあるが、それは出品者が何十年前に購入したものであったり、所有者の何世代も前の祖先などが入手したケースなど、購入してから売却するまでのスパンが長いのが特長である。

 美術品は、株や債券や不動産よりも更に長期で見る必要がある。そしてある程度目利きである必要があり作品の良し悪しや美術史的な系譜もわかっていなければならない。またオークション会社を通じて売買する場合手数料もあるし、保険料、保管料の問題もあるので他の投資商品に比べるとバカにならない。

 私個人の考え方としては、やはり美術品は鑑賞して楽しむもの。作品を購入したらやはり生活の一部として鑑賞して楽しみたい。作品というのはやはり人に観られて初めて輝くものだと思うからだ。もともと美術作品というのは投資目的で作られたものではないので、本来の純粋な想いにかえるのが本来の在り方ではないだろうか。利益は大きく出なくても何より心の豊かさが買えるのだから。

美術

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