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菅新政権へのいくつかのポイント

砂布巾
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砂布巾と申します。自己紹介は追々の記事でお話しさせていただきます。アウトロー気質の目線から、政治・経済・思想・心理等の学問分野のあれこれを平易かつ単純にお伝え出来たらと考えております。お気軽にご覧いただき、皆様の好奇心が広がって行くきっかけにご利用いただければ何よりと考えております。


鳩山
 この原稿を書いている6月4日に、鳩山由紀夫氏の退陣を受けて、菅直人氏による新政権が誕生しました。

 菅氏は、鳩山政権でも副総理であった訳ですから、当然の流れではありますが、簡単にポイントを整理しておきたいと思います。

 最初のポイントは、今回鳩山氏の急な退陣を受けたはずが、わずか2日で民主党の代表選が組まれたということです。勿論、選挙前に民意を受けずに首相が交代する訳ですから政治的空白を置くべきではないという理由が正統的な建前です。しかし、あまりにも手際が良すぎるとの面は否めません。

 また、新首相が確定する前に、今国会の会期延長をしないことが早々に発表されました。これも建前的には、新しい政権が従来の議論の流れに縛られずに法案に取り組むべきであるとか、参院選の準備があるので会期を延長していては対応が遅れる等の理由が考えられます。しかし、閣僚任命等忙しいと雖も、延長をしなければわずか数日なので会期の最後に予定されている重要法案が全て先送りもしくは廃案になってしまうこととなり、不自然な感じは拭えません。

 現に、郵政法案を党の「一丁目一番地の政策(最重要に取り組む政策)」としている国民新党は慌ててこの法案だけは通してもらいたいと主張し始めました。議論はある程度委員会で成熟していたはずですから、多少の会期延長をすればスムースに済む話でもあります。

 この2点から考えると、前者には鳩山後に沢山の候補者が出て大騒ぎにならずにすぐ様代表を決めたい思惑や、成立した新政権に余計なことをさせずに波風立てずに参院選に行かせて、良くも悪くも目立った新しい動きをさせたくないという思惑が透けて見えます。

 これははっきり申し上げて、小沢前幹事長やそのグループの立場に他なりません。小沢氏が直接そこまで手回ししたかは別にして、近い立場の方々からすれば、反小沢系の候補者が代表選の根回しをする時間を与えず、成立した菅新政権が目立ったり、強引な議会運営でしくじったりしない方が得であるので、早々に議会が終了した方が良いという考え方があったのでしょう。彼等の強い影響力を見て取ることが出来ます。

 因みに、鳩山氏の最初の国会も不自然に会期が短く、ボロを出さないようにという思惑が感じられました。正直、振り付け役の方々からすれば、鳩山氏は最初から危なっかしかったのでしょう。

 選挙に重要な役割を果たす次の幹事長は現時点では明らかにされていませんが、小沢氏側の布石は粗方終わっていますし、負けた場合幹事長には風当たりがありますので、別段小沢氏の腹心を選出せずとも問題はありませんし、選挙が近いという理由で現状から大きく閣僚を入れ替える必要もありませんので、選挙後に人心を一新するという形で間に合うことになります。小沢氏が退任しても、小沢氏側の方々はしてやったりでもあるでしょう。

 また、新首相の管氏は、市川房枝氏の周辺にいらっしゃった時から、計算高さを買われる反面、「イラ菅」と呼ばれて近年党内の評判が芳しいとは言えませんでした。鳩山氏同様、草創期からの幹部の割にはグループの人数も少な目です。党内人望に乏しい管氏がすんなり選ばれたというのは、反小沢系の方々の布石が無い限りあり得ないシナリオであることだけは確かです。

 加えて、副総理として就任した割りには棚上げ感の強い立場から折角財務相にまでなったにもかかわらず、普天間基地問題等でもほとんど発言を控えて来ました。菅氏の思惑もあったでしょうが、この辺にも小沢氏のキングメーカーとしての実力の程が感じられるのです。今後も小沢氏及び小沢氏のグループのハンドリングのうまさが目立つことでしょう。

 最後のポイントは、これからの流れですが、正直選挙は水物ですから直前まで予想は不可能でしょう。しかし、選挙で多少負けたくらいでは就任早々の菅政権が揺るがないことだけは確かだと思います。まずは選挙に勝っても負けても本当のスタートは選挙後です。その方が選挙も戦いやすいことでしょう。

 鳩山政権の場合、慎重に国会運営をしようとスタートして、政権後すぐに動かなかった為良くも悪くも最初は評価がしにくい状態でした。しかし、動き出した途端に「政治とカネの問題」と「普天間基地移転問題」があまりにも大きな争点になってしまいました。

 通常、ハンドリングが良ければ、政権初期には選挙が直前に無い限り、特定の争点が大きくなることを防ぐのが常套手段なのですが、鳩山氏は誠実なのか軽々しいのかそれを大きくしてしまったような印象があります。とりわけ普天間基地移転問題では最初の内に軽く考え、オバマ大統領に2回も年内解決を表明したことから、結局は自らの首を絞めました。

 菅氏はそれを見ているのですから、将来的にもかなりのらりくらりとした方法を採るのではないかとボクは感じています。選挙が無い時には大きな政治争点を避け、選挙の際にはわかりやすい政治争点をぶち上げて対立軸を明確化させることが政局を乗り切る基本なのです。

 勿論、菅氏がどのような政権運営をなさるかは未知数ですが、辺野古移転を打ち出して社民党が離脱することで鳩山氏を悪人であるかのように論っていた多くの方々からも、辞任の素直な会見を見るや否や、「鳩山氏もいい人だった」等の意見が沢山聞かれています。

 斯くも左様に、民主主義国家においても多くの方々は気まぐれだけではなく、雰囲気だけでレッテルを貼って評価を下してしまう傾向があります。幹部政治家の狡猾さを批判なさる方も多い訳ですが、ここを考えると政治家はとても大変な柵(しがらみ)の中でお仕事をしなければならないことを改めて痛感する次第です。

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