世界的エリート養成校、名門ボーディングスクールへ進学する方法【2】

※第1回はこちら
世界的エリート養成校、名門ボーディングスクールへ進学する方法【1】

豪名門ボーディングスクール合格までの2つの関門

 日本での知名度はほとんどないものの、世界では屈指の名門校として名を馳せるオーストラリアのボーディングスクール「ジーロン・グラマー・スクール(Geelong Grammar School、以下GGS)」。このような世界的名門校へ進学するにはどんな手続きが必要なのでしょうか。

-GGSの入学試験はどのように行われますか?

若草さん:「まず第一関門として、海外からの出願者に対しては全員AEASテストを受験することが求められます。AEASテストとは、オーストラリアへ留学を希望する外国人生徒に対してAEAS(Australia Education Assessment Service)が施す公的な試験です。英語力や学力を判定するための資料の1つとして、全豪のいくつかの私立学校で出願時の受験が義務付けられています。日本では、JEAA(Japan Education Advancement Association)が、AEASテストの日本事務局として認定されていて、JEAAに登録された試験官のもとで厳正に試験が行われます。このテストのスコアが芳しくないと願書を受け付けてもらえないこともあります。日本人にとっては、オーストラリアの名門ボーディングスクールの門戸を狭くする1つの要因となっています。」

 AEASテストの試験科目は英語の口頭試問(面接)・リスニング・筆記・エッセーと、数学、知能テスト。学年別に異なるレベルの試験問題が全科目英語で用意され、所要時間は3時間です。受験料は、若草さんの娘たちが受験した2005年秋の時点で1人3万円でした。得点結果は受験後2~3週間ほどで出され、試験官が直接、各学校へ通知します。

 AEASテストをクリアすると、次は第2関門として、現地で行われるインタビュー(面接試験)に出向きます。

最初は「日本人は歓迎されないムード」が漂っていた

-面接では子供のどのような面をみられますか?

「面接試験では学力と英語力、そしてその学校に順応してやっていける子供かどうかを、さまざまな角度からチェックされます。実は、私どもが出願前に日本から問い合わせた当初、GGSの入試担当官からは『ああ、日本人ね。日本人は簡単に入れると思わないでくださいよ』と、あまりにもそっけない態度でくぎを刺されていました。

おそらく、日本人だから英語力が乏しくAEASテストの関門を乗り越えることすら難しいだろう、という先入観があったのでしょう。最初から決めつけているみたいな口調でした。でも面接が始まり、校長先生に、以前はスイスのボーディングスクールに3年間留学していたことを話したら、風向きがガラリと変わりました。『おや、スイスのボーディングスクールにいたの? それなら大丈夫、この学校に喜んでお迎えしましょう』と、にこやかな笑顔で即座におっしゃいました。

『スタートがスイスのボーディングスクール』というのは、図らずも大きなアドバンテージであったかもしれません。次の進学先にアプライしやすい、受け入れてもらいやすいという観点では、大変貴重なポイントでした。可能性を広げる意味合いからは、スイスでの開始年齢が小さければ小さいほど、そのキャリアが評価され有利に展開します。姉妹を5歳と6歳でスイスへ手ばなした判断は正しかったのだと、GGSのインタビューで強く感じました。」

 GGSは5年生の定員が20人、6年生が40人ほど。海外からの留学生だけでなく、3つの附属小学校から地元の生徒も選抜されて上がってきます。数々の難関をくぐり抜けて、若草さんの娘たちは日本人留学生としてはGGS歴代最年少の5年生と6年生で合格しました。

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