中国NO.1の「美人砂絵師」がブームに

 中国全土に20人余りいるという“砂絵師”が今、人気だ。透明の板の上に砂をこぼし、詩情豊かに山水、人物、情景などを次々と描いていく。まるで水が流れるような軽やかさだ。

 近年中国では、大きなパーティーや、大企業のブランド発表会などで、砂絵師のパフォーマンスが流行しているという。出演料は最高10万元(約130万円が)。24歳の美女、萱萱(ケンケン)さんはもこの砂絵師の一人で、深セン市で開かれた「マカオ返還10周年記念式典」でのパフォーマンスがテレビで放送されるなど注目を集めた。

 砂絵はまさに瞬間芸術。わずか5分間で10種類もの作品を描きだす。チャイナドレスを身にまとった萱萱(ケンケン)さんは、明りのついた透明の板の上に一握りの砂を撒くと、手先を器用に使って川、樹木、雁を次々に描いていく。さらに、一握りの砂を足し、指先で波のような形を描くと、一人の少女の横顔が完成した。作品自体だけでなく「描かれる過程も芸術の一部」と話す。

 萱萱さんは1985年生まれ。4歳から美術の勉強を始め、深セン大学芸術学院を卒業した。2007年にハンガリーの砂絵師の実演を見たことをきっかけに砂絵の世界に飛び込んだ。

 普通、作品の練習は1日や、2日あればできるが、全体の流れを考えるのに1週間かかるという。毎回のテーマも違えば、表現する作品も違ってくる。現在比較的多いテーマは、平和・未来・希望などだそうだ。

 萱萱さんはフラメンコなどの踊りも勉強中で、将来的にはこうした要素もパフォーマンスの中に取り入れたいと考えている。「より多くの人々を魅了したい」と話す萱萱さんの探求は続きそうだ。

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