不世出の天才が選んだ去り際の美学

そして、2010年8月18日、57歳となったドラッケンミラー氏は、デュケーヌ・キャピタルを閉めてヘッジファンド界からの引退することを発表したのだった。年率平均30%以上のリターンを当たり前と考えているのが同氏。どちらの引退とも、最後の年は奇しくもマイナスの運用になっている。
クォンタム・ファンドの最終年2000年はマイナス15.50%、デュケーヌは今年ここまで年初来でマイナス5%となっている。リーマンショックの2008年でさえプラス11%という驚異的なパフォーマンスを上げているだけに、投資家にとっては残念でならない。
また、ヘッジファンドマネージャーの報酬ランキングでは、ソロス氏の下にいた時代には1995年、2000年にともに報酬ランキング2位となっている。最近では2008年に8位に入っていた。
投資家に宛てた書簡では、次のような言葉があった。
「投資家の方々は、わたしのパフォーマンスには満足だったかもしれないが、わたしは自分自身にに課している基準に満たなかったことが大いに不満だ」
不世出の天才が選んだ去り際の美学。そこは我々、凡人が推し量ることはできない領域だ。しかし、ドラッケンミラー氏の名前は今後も、金融業界で記録にも記憶にも残っていくことだろう。
◆参考、ドラッケンミラー氏在籍時のクォンタムファンド(ネットパフォーマンス)
1989年 31.60%
1990年 29.60%
1991年 53.40%
1992年 68.60%
1993年 63.20%
1994年 3.90%
1995年 39.00%
1996年 1.50%
1997年 17.10%
1998年 12.40%
1999年 35.00%
2000年 ―15.50%
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