日本銀行が自ら指南する「日銀短観」のクセ
「設備投資計画のクセ」では、「大企業の設備投資計画の前年比は、初回3月調査から6月調査にかけて上方修正され、その翌年の3月調査まで微修正された後、実績が確定する翌年6月調査で下方修正される傾向がある」。これは、翌年6月調査では、工事の遅れや案件の先送り等から翌年度にずれ込む動きを反映したものだと考えられる。
一方「中小企業では初回3月調査では弱めの計画となり、その後時間の経過につれて上方修正されていく傾向がある」。これは、中小企業では、設備投資案件が相当程度具体化し、または実施される毎に、設備投資計画として計上される傾向があることなどを反映したものと考えられる。
つまり「大企業の設備投資計画は当初は着膨れし、実態が明らかになるほどに次第に脱ぎ捨てられていく。中小企業のそれは当初は薄着だが、時間の経過とともに着実に厚着になっていく」。日銀短観が統計として非常に有用であることはまちがいなく、経営者や投資家にとってもそこから得られる情報は判断に大きな影響を及ぼす。ただし、そのクセを知らずして数字をそのまま鵜呑みにしては、投資判断の過ちにつながる可能性がある。
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