精神的に打たれ弱いオックスブリッジの学生が増加
オックスフォード大学では昨年、生徒数の約2割がカウンセリングサービスを受け、ケンブリッジ大学でも15%から20%の生徒がカウンセリングを受けた。これについて、ウィンチェスター大学のガイ・クラクストン教授は、「高校の教師たちは、生徒をトップレベルの大学に進学させるために、いかに効率的な勉強をさせるかに心を砕いている。しかしそれが結果的に、優秀だが傷つきやすく、精神面が弱い子供を増やす要因になっている」と話す。
最近の子供たちは、トップレベルの大学に合格するために「GCSE」や「Aレベル」などの小さなクラスに教師によって分けられ、教育されている。そのために、成績は非常に優秀なものの、融通がきかず、失敗や挫折への対処能力を欠いた子供が増加したのだという。
ケンブリッジ大学カウンセリングサービス部長のマーク・フィッペン氏は、「勉学の面では非常に優秀な反面、自分に自信がない生徒が増えている」と話す。 またオックスフォード大学のカウンセリングサービス部長アラン・パーシー氏は、「学生たちは、学ぶということの本質的な意味を理解していないことが多い。何かを学ぶということは、自分が知らないことを発見して、それと格闘してもがくことです。それなのに、学生たちは『知らない』というだけで、もう失敗したような気がしている」と話している。
日本でも難関大学学生の学力低下や精神面の弱さなどが近年話題になっているが、ケンブリッジなど海外の名門大学でも、“打たれ弱いエリート”増加が問題視されているようだ。
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