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海外の節税オタク達

中世に遡る節税の歴史


海外の節税オタク
 海外の資産家は、古くは中世より、税務プランを駆使して節税をはかり、また資産を守ろうとしてきた。例えばトラストなどはその歴史を十二世紀に遡る。長子相続制下のイギリスで、男子がいない場合でも国王に土地を没収されない手段として、あるいは長子以外の子弟への遺産相続の手段として用いられた税務プランである。米国でも同族経営の株式を早い段階からトラストに委譲してしまい、大企業に成長した現在でも、いまだにファミリー企業として存続し続けているところもある。トラストは英米法下の国々で発達したが、最近は大陸法下の国々でも使うようになってきているというから、日本での展開も期待できよう。
 
 勿論、資産家のみならず法人もまた節税に熱心だ。私が携わった企業買収の案件でも、税務プランは重要な要素であった。米国の企業をオランダの持ち株会社を通して買い、再上場時のキャピタルゲイン税の節約をはかるなどの提案は、海外の弁護士事務所が得意とするところである。節税案でも海外を、つまり自国の法律の及ばないところを使うプランが多いのが日本と違うところだろうか。各国の税法の違いを利用する一方、反対に租税条約の利点を生かしたスキームなど様々ある。こうしたことに長けた節税弁護士を何人も使って節税にいそしむ企業も多い。実際に税務プラン実行のために本社の所在地を簡単に変えてしまう大企業さえあるくらいだ。こうした節税振りをみていると日本のQC活動による節約などではとても太刀打ちできないように思う。

節税への情熱の要因とは


海外の節税オタク
 個人対象であれ、法人対象であれ、あれでもかこれでもかと新たな節税案が登場する。節税案に必須な柔軟な発想には、柔軟な頭が必要だが、同時に法律であれ、金融商品であれ、ものの本質をおさえておかないと柔軟性はでてこない。やっている本人も掴みきれないのではと思う位、複雑な節税案にもお目にかかったが、最近は金融商品を利用したプランが多い。資産全体を保険で包むなどの提案は十年前に聞いたときは自分の耳を疑ったものだ。しかし考えてみれば、保険を、トラストや、債券、投資信託のように資産の受け皿として考えることもできるわけだ。
 
 随分多くの海外の節税弁護士、会計士と会ったが、共通しているのは、難しい節税案や相続案が、根っから好きだという点だ。アメリカ人もイギリス人もスイス人も皆同じである。「節税おたく」といってよいほどである。リーガルパッドやレポート用紙を手に、図を書き、矢印を引き、熱心に説明してくれる。食事時も忘れ、私の提案にも食いつくような眼差しをむけてくる。かくも情熱的に節税が追求される一因は、「政府は個人の基本的な権利を阻害するもの」という考えからきているのかもしれない。
 
(「週刊 金融財政事情」に掲載)


榊原節子様
取材協力:榊原節子(アルベロサクロ株式会社代表取締役)
 東京生まれ。米国マウント・ホリヨーク大学を経て、国際基督教大学社会科学科卒業後、国際会議同時通訳者となる。大手証券会社にて主として医薬品・バイオ企業間の企業買収に携わる。1991年、国際税務・国際投資コンサルティング会社、アルベロサクロ株式会社を設立し、代表取締役に就任する。国内外の幅広い人脈を生かし国際的視野に立ったファイナンシャルアドバイザーとして活躍。ヘッジファンド、プライベートバンク、ファミリーオフィス、資産継承、金銭教育をコンサルティングテーマとする。著書に『欧米資産家に学ぶボーダーレス時代の資産運用法』(東洋経済新報社)、『プロが教える海外資産投資-あなたの財産を有利に殖やすノウハウ』(太陽企画出版)、『金銭教育-小遣いから資産家の二世教育まで』(総合法令出版)、『わが子が成功するお金教育-よい小遣い悪い小遣い』(講談社+α新書)、『セレブのルール』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『カモにならない投資術-人生後半からの負けないお金哲学』(太陽企画出版)がある。現在はコンサルティング・資産運用に携わる他、団体の役員(国際基督教大学参与、特定非営利活動法人相続税寄付推奨会議理事、東京財団資金委員)、ロータリークラブ役員等、幅広い活動を行なっている。富裕層の会員制プライベート・クラブYUCASEE ( ゆかし)のメンバー。

◆『ヘッジファンド』から『慶応幼稚舎』まで。「ゆかしメディア」は日本最大級の富裕層向けメディアで、月間30万人以上にご利用いただいております。なお、純金融資産1億円以上の方は、富裕層限定オンライン・プライベートクラブ「YUCASEE( ゆかし)」にご入会いただけます(書類審査並びにスタッフによるインタビュー審査がございます)。 著作・制作:ゆかしウェルスメディア株式会社

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