「顔は脳の看板」。人の顔を見ることで心の現象を見取り、開運の助言を説く、嘉祥流観相学会・導主、 藤木相元氏。波乱万丈に富んだ人生と、豪快でユニークなキャラクターで、『笑っていいとも』などのテレビ出演も多い。松下幸之助、吉田茂、田中角栄、本田宗一郎、小林一三ら戦後の傑物と親交のあった藤木氏に、“金が入る、たまる顔相”“ビジネスで成功する顔相”とは、どんな顔であるのか、聞いてみた。
顔が人を作る
これらは、全て脳がかもし出す答えが顔に出るということです。脳が顔を作る、または脳が顔を作りなおす、意識を変えることで、一晩で顔を変えることも可能なことなのです。
私のことを占い師だと勘違いされる方も多いですが、私の脳相学は、顔から情報を読み取り分析するのもので、自然科学の数々を深く広く取り入れて、それらの分析結果を重要な手がかりとし、顔から素質と性格を割り出すことなのです。
私の脳相学の礎となっているものは、僧侶として学んだ達磨大師の『脳相論』、つまり「禅」の思想と、松下幸之助さんとのご縁で委託研修学生として東工大やドイツ留学で学んだ、脳科学や深層心理学を結びつけたものです。
座禅は己れを忘却することから始まります。達磨大師が説くのは、瞑想とは雑念を振り払い、自分を忘れて無意識になれというものです。しかし人間は頭で生きている動物です。座禅や瞑想で頭の中を空っぽにしても、身体の中には意識が残っているわけです。人間は何も考えていないと思っても、実は心の奥底ではきちんと考えている。つまりフロイトの「無意識の発見」でもいわれている、意識下にある「意識していない意識」ということです。
私の考えでは、座禅から新しい自分に作り替えることができるのは、何も考えないのでなく、こうなりたいという願望を意識することで思考が変わり、顔も変われるということなのです。どういう自分になりたいかの願望が表れてくるというわけですね。