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先進国にも次第に忍び寄るインフレの足音

 資源価格の上昇が深刻な中、これまでは主にインフレ率が高い新興国への影響が懸念されてきた。ただし、ここへきて先進国の中銀からも、これを懸念する発言が聞こえ始めた。ニッセイ基礎研究所の矢嶋康次主任研究員は、「日銀の金融政策」「長期金利」「為替」への影響を、以下のように分析している。

一次産品価格が高騰、先進国中銀にもタカ派的な発言が増加
先進国の金融政策を見ていると、ここにきてタカ派的な発言が目立ってきたように感じる。その背景を考えれば、(1)金融危機的がいちおう収束し、(2)景気も緩やかに回復路線を続けていること、さらに(3)過剰流動性が生み出す負の側面も無視できない状況になってきていることなどがあるだろう。

【日銀の金融政策】
 日銀にとっても米国6月のQE2が終了となり、コアCPIが11年度に入りプラスになってくれば、先行き・現状ともに景気認識を上方修正し、包括緩和の縮小を模索し始める可能性がある。大きな需給ギャップの存在と先行きの過剰マネーのリスクバランスをどう判断するのかが課題だ。

【長期金利】
 今後発表される米経済指標を市場がどう受取るかが米長期金利の方向感を決め、日本の長期金利の方向感もそれに追随するだろう。やや長い目でみれば米長期金利は景気回復を背景に上昇と考えるが、QE2開始以降一度も大きな調整を経ておらず、弱い指標に反応しやすくなっている可能性がある。国内金融機関の金余りが国内市場を強力に下支えしていることから、当面1.2%を挟んだ展開が予想される。

【為替】
 最近は、ユーロ買い・ドル売りがドル安と捉えられて円の対ドルレートも強含んでおり、円にもドルにも強力な判断材料はあまり見当たらない。ユーロも見直し買い・反動の側面が強く、そろそろ打ち止め感があるため、次は米国への見方がどうなるかが重要になる。米国経済は足腰がまだ強くないため、楽観が修正されることも十分あり、その際は円高圧力が加わる。当面のレンジは80円~84円を予想する。

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