奇跡を起こせなかったUBSトレーダー
もう奇跡を起こすしか手がなかった31歳の青年
「I need a miracle」
自分のトレードが発覚することを覚悟していたのだろう。巨額の損失穴埋めを何とかするためには、奇跡を起こすしかない金額だった。
この人の良さそうな顔つきをしたガーナ出身の31歳の青年。フェースブックなどによると、英クエーカーのボーディングスクールに入学し、ノッティンガム大学を03年に卒業し、先輩からUBSでのインターンを勧められ、そのまま入行した。
当初はミドルオフィス(営業、投資などのサポート部門)に配属され、後にフロントオフィス(営業、投資などを行う収益部門)に異動した。外資系金融のヒエラルキーでは、フロントの方が格上とされ、こうした異動は「皆無ではないが、あまりない」(業界関係者)という。
いくら、ポジションを守りたくても、3年間も不正を隠しとおすことは可能だったのか、疑問が生じてくる。