中国人が3割を占めるシンガポールの不動産
その中でも特にシンガポールは、もともと華僑が多く中国人にはなじみやすい環境な上に、移民政策なども寛大なことから、中国人富豪を引き付けている。
例えば、高級ホテル、リッツ・カールトンの名前を冠したコンドミニアム、「リッツ・カールトン・レジデンス」はシンガポールの中で最も高価な物件の一つ。2008年発売開始から現在までに4割売れていて、買い手の多くは中国人富豪だ。中でも最高級の部屋を中国人が約2億元(約24億円)で購入している。
上海の投資家である王氏は2010年に約830元(約1億円)で、95平メートルのマンションを購入した。その理由は、シンガポールは欧米に比べて言語の不便がないというだけでなく、社会文化や生活環境が中国人に馴染みやすいからだという。また彼はシンガポールの2言語教育政策に魅力を感じていて、既に子供を現地の幼稚園に通わせている。シンガポールの不動産業者も、中国人富豪を引き付けるために、子供の学校選びや入学のための手続き代行といったサービスも行っているというから、ますます中国人富豪には有りがたい話だ。
中国人富豪の不動産購入は、増え続ける一方だ。ここ15カ月間を見ると、シンガポールの不動産購入者のうち、外国人の実に3割を中国人が占める。大部分は現地に暮らす華僑だが、中国から現地に赴いて投資するひとも徐々に増えてきているという。
王氏はシンガポールの不動産投資を決めたもう1つの大きな理由があるという。「金儲けができるかどうかがキーポイントです。もし生活の安定だけを求めたら、スイスやオーストラリアなど、もっと他の選択肢があるはずです。」王氏は、シンガポールには競争力があり、ビジネス環境が優れているうえ、移民政策にも寛大なところが投資の決め手となったと話す。欧米は経済が低迷している状態だが、シンガポールの不動産価格が上がる可能性はまだ高いと見ている。
一方で、こうした中国マネーが、シンガポールの不動産価格をますます釣り上げるのではないかと危惧もされている。

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